クラウド対応で進化するNET+1
決済業界の変革が進む中、株式会社インテリジェント ウェイブ(以下、IWI)は、オンライン決済の基盤を支えるシステム「NET+1」のクラウド対応の開発を開始した。これにより、国内外の金融機関がより効率的かつ安全に決済処理を行うことが可能となる。2025年の提供開始を予定しており、アマゾン ウェブ サービス(AWS)との連携が鍵となる。
NET+1の長い歴史と概要
IWIは、1984年の創立以来、決済ネットワーク接続や認証を行うソフトウェア「NET+1」を提供し続けている。このシステムは、クレジットカード会社や金融機関にとって不可欠な存在となっており、特にFEP(Front End Processor)として、決済処理の根幹部分に位置づけられている。NET+1は、24時間365日無停止で稼働し、高速処理を実現するために高可用性と耐障害性を備えたハードウェア上で動作してきた。
クラウド化の背景
近年、キャッシュレス決済の普及が急速に進む中で、カード会社をはじめとする金融機関は、システムのモダナイズやクラウド化が急務となっている。これに伴い、IWIは単なるハードウェア依存から脱却し、クラウド環境での運用を可能にすることで、より多くのユーザーに対応することを目指している。
今後の展開
2025年4月には、クラウド対応のNET+1が正式にリリースされる予定であり、それ以降もAWS以外のクラウドサービスへの対応を検討していく。また、この新しいプラットフォームにおいては、機能追加や更なる改良も視野に入れ、金融機関のデジタルトランスフォーメーションをサポートする姿勢を明らかにしている。
業界の反応
AWSの担当者であるMark Smith氏は、キャッシュレス決済の比率が増加している日本市場において、クラウド技術の重要性を指摘。「NET+1がAWSに対応することにより、決済事業は新たな投資を可能とし、競争力を高めると同時に、ユーザーにとっても質の高いサービスを提供できるようになる」と期待を寄せている。
IWIの目指す未来
IWIの代表取締役社長、川上晃司氏は、金融分野におけるデジタルトランスフォーメーションの加速に感謝しつつ、さらなる進化を目指す意向を示した。「NET+1は、長年にわたり高い評価を受けてきたミッションクリティカルなシステムであり、クラウド対応によりより一層、競争力を高めることができる」と語っている。
まとめ
NET+1のクラウド化は、金融サービスの新たな可能性を切り開く重要なステップである。IWIは、安心・安全なキャッシュレス社会の実現を目指して、新技術の導入を続け、さらなる業界の発展に貢献していく予定だ。