電通が新たに発足したスポーツ未来研究所
株式会社電通(本社:東京都港区)が、スポーツの持つ真の価値を探るための「スポーツ未来研究所」を新たに発足させました。
本研究所は、スポーツ観戦の体験価値を可視化することを目的とし、早稲田大学および東海大学と共同で研究に取り組んでいきます。所長には、パラリンピック・アルペンスキー元日本代表の大日方邦子が就任し、スポーツビジネスの知見を生かしながら未来志向で活動を展開します。
スポーツ観戦の体験価値の探索
今回の活動は、早稲田大学スポーツ&エンターテインメントマネジメント研究室、東海大学スポーツマネジメント戦略研究室、そして電通サイエンスジャムの協力のもとで行われます。研究では、観客の感情を解明するために脳波や心拍などの生体情報をリアルタイムで計測し、観戦時の体験価値を数値化する手法を取ります。
これまでスポーツ観戦については、主に観戦後の調査やインタビューに基づく定性的なデータが重視されてきましたが、スポーツ未来研究所ではデータを活用することで、観戦中の「ワクワク感」や「ドキドキ感」などの感情を定量的に捉えることに挑戦しています。
この研究における重要なポイントは、観客同士の感情のシンクロがもたらす影響の解明です。スポーツ観戦には、リアルでの観戦だけでなく、SNSを通じたオンライン観戦などさまざまなスタイルが存在しますが、共通して「感情を分かち合う」重要な要素があります。ストリームの違いがシンクロに与える影響や、その結果としての観客のメンタルヘルスや認識変容についても分析を進めていきます。
具体的な研究計画と成果発表
初回の調査においては、日本サッカー協会の協力を受け、サッカー男子日本代表の試合を対象としたデータ収集を行っています。現在、収集したデータの詳細な分析を進行中であり、成果発表は今後予定されています。
スポーツ未来研究所は、研究成果を基に社会に対する提言や情報発信を行い、競技会場やスタジアムの改善、またはスポーツエンターテインメントの進化に寄与していく方針です。電通が長年にわたり蓄積してきた知見を生かし、スポーツと社会との結びつきを強化することで、新たな価値創造に挑戦していきます。
所長のメッセージ
所長の大日方邦子は、「スポーツが持つ価値を見つめ直し、その可能性を広げていくために、スポーツ未来研究所を立ち上げました。電通が培ってきた知見を生かし、社会や人々の暮らしに貢献する新たな価値創造に挑戦してまいります」と述べています。
今後の研究活動においても、その成果がどのように活用されるかが期待されるところです。スポーツが持つ力と可能性を再認識し、社会に貢献する新たなステージへと進むことを目指しています。