新たな加工精度向上技術が注目を集める
工学院大学の小川雅准教授が開発した、
内部ひずみの可視化技術が、8月22日から23日にかけて開催される「大学見本市2024~イノベーション・ジャパン」で初めて一般に披露されます。この技術は、溶接接手や表面改質材にエックス線を当てることで、材料に影響を与えずに内部のひずみを可視化できるというものです。こうした新たな取り組みは、特に精密加工業界での応用が期待されています。
ひずみの可視化による加工精度向上
小川准教授による研究は、加工過程で発生するひずみや残留応力を正確に測定する手法です。加工物質の性質によっては、特に硬い材質は加工時の負荷が大きくなり、反りやひずみが生じやすくなります。また、薄膜材料なども同様に、予測不可能な変形を引き起こすことがあり、これまでは作業者の経験や感覚に頼ることが多くありました。
この新技術は、加工前に事前測定を行い、ひずみがどのように発生するかを把握することで、事前にデータを取得し、変形を想定した寸法設定が可能となります。これにより、加工の精度が向上し、効率的に業務を進めることができるのです。
展示での実演
今後の展望としては、企業との連携を深め、さらなる実現性の向上を目指しています。また、研究室等での実験では、可視化されたモデルを用いることで、部材の品質評価や寿命予測も可能となります。経験の浅い作業者でも、効率よく加工作業を進めることができ、これにより新たな担い手不足問題の解消にもつながるでしょう。
大学見本市では、加工サンプルのひずみ箇所をPCで実演し、技術の有効性を広く紹介します。展示タイトルは「加工ひずみを考慮した高精度な加工前寸法決定システムの構築」で、ブース番号はS-009です。ショートプレゼンテーションも行われ、8月23日(金)の11:40から11:45までの間、プレゼン会場Bで発表される予定です。
イベント情報
大学見本市2024~イノベーション・ジャパンは、2024年8月22日と23日の両日、東京ビッグサイトで開催されます。企業の技術開発担当者や経営者、さらには学校関係者などの来場が期待されています。参加は無料で、事前申込が必要です。詳細は公式サイトを参照してください。
この技術の進展には、精密加工業界における変革が期待されます。また、社会全体における技術の普及も進むことでしょう。