ケイデンスとSamsung Foundryの画期的な協業
ケイデンスは、AIデータセンター、自動車先進運転支援システム(ADAS)、コネクティビティにおける設計加速のため、Samsung Foundryとの協業を拡大しました。2023年6月16日、両社は先進的な半導体ソリューションを提供する新たな複数年契約を締結し、Samsungの先進プロセスノードにおけるCadenceのメモリおよびインターフェースIPソリューションの拡大を目指します。
この取り組みは、両社の技術協力をさらに強化し、AIデータセンターにおいては高い性能と低消費電力を追求し、自動車分野では先進運転支援システム(ADAS)の向上を図ります。具体的には、ケイデンスのAIドリブンデザインソリューションとSamsungのSF4X、SF5A、SF2Pプロセスノードを組み合わせ、高度な機能を持つシステムの市場投入期間を大幅に短縮することが期待されています。
拡大されたIPポートフォリオ
新たな複数年契約により、ケイデンスとSamsung FoundryはAI、自動車、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けのメモリおよびインターフェースIPソリューションの提供を進めています。具体的には、LPDDR6/5x、GDDR7、DDR5、PCI Expressなどの最新技術が組み込まれたポートフォリオが発表されました。これにより、競争力のあるAI/HPC市場において顧客のニーズに的確に応えることが可能となります。
デジタルフルフローと先進技術の認証
さらに、ケイデンスのデジタルフルフローは、Samsungの最新SF2Pプロセスノードで正式に認証されました。この流れにより、設計者はより迅速かつ効率的に設計を行うことができます。特に、Cadence Pegasus Verification Systemの導入により、大規模な設計で必要なスケーラビリティが確保されます。
アナログ設計の自動化
ケイデンスは、Samsung Foundryと協力し、アナログセルベースの4nm IPを自動化して2nmプロセスへ移行することに成功しました。これにより、開発コストの削減と時間の短縮が可能となり、今後のプロセスノードへの移行における基盤が築かれました。
RFチップとパッケージの共同設計
また、両社はSamsungの14nm FinFETプロセスに基づいた次世代mmWaveアプリケーション向けに、共同設計フローのプロジェクトを実証しました。この成果は、設計データ管理の効率化に寄与しており、設計のターンアラウンドタイム(TAT)の短縮を実現しています。
3D-IC向けのパワーインテグリティ解析
特に注目すべきは、3D-IC設計のためのフルフローパワーインテグリティ解析です。Voltus InsightAIやInnovus Implementation Systemを駆使し、消費電力を抑えながらも卓越した成果を上げています。
最後に
ケイデンスのBoyd Phelps氏は、今回の契約締結が、両社の協力を一層強化し、エンドユーザーに最先端技術を提供することに繋がるとコメントしています。これにより、自動車分野やAIデータセンターにおける革新が促進されることでしょう。
この協業により、ケイデンスのソリューションはさらなる進化を遂げ、業界のリーダーシップを確立するステップとなりそうです。どのような新しい技術が市場に現れるのか、引き続き注目が集まります。