最新版「uCosminexus Application Runtime」が登場
株式会社日立製作所は、企業向けのエンタープライズ・アプリケーションをJavaで開発・運用するためのWebアプリケーション基盤「uCosminexus Application Runtime」の最新版を、12月10日から提供することを発表しました。新たなアップデートでは、AIアプリケーションの信頼性と透明性が強化され、さらに対応しているOSも拡充されました。
バックグラウンドと開発の意義
近年、企業ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やAI技術の向上に伴い、市場の変化に迅速に対応するための柔軟なシステム構築が急務となっています。オープンソースソフトウェア(OSS)の活用が広まる一方で、OSSには企業が求める信頼性やしっかりとしたサポートが不足している場合があります。特に、AI技術が進化することによって、自動実行されるアプリケーションに対しての信頼性への懸念も生じてきました。
日立では、高信頼なエンタープライズ・アプリケーションの開発環境を提供するべく、これまで「uCosminexus Application Server」を通じて数多くのミッションクリティカルなシステムを支えてきました。その技術や経験を活かしつつ、最新の技術トレンドに適応した「uCosminexus Application Runtime」を開発しました。
最新版の特長
最新版では、特に以下の二点が大きなポイントとして挙げられます。
1. AIアプリケーションの信頼性と透明性を強化
この新ソリューションは、Spring AIに対応しており、生成AIやAIエージェントをJavaアプリケーションに統合できる技術をサポートします。その結果、AIを活用するアプリケーションの実行時における入出力処理や、外部サービスとのやり取りを詳細にトレースすることが可能です。これにより、AIアプリケーションのプロセスが透明になり、ユーザーや開発者が理解しやすくなります。
さらに、Justwareとの連携により、開発フローも効率化され、AIアプリケーション開発の初期段階から最適な設計やトラブルシュートが実現可能となりました。
2. 幅広いOS対応でのモダナイゼーション加速
新たにWindows ServerやAmazon Linux 2023に対応したことにより、多様なIT環境での運用が可能になりました。従来のLinux系オンプレミスやクラウド、コンテナ環境に加え、既存のアプリケーション資産を利用したまま容易に移行を進めることができます。
これにより、すでに稼働しているシステムからのスムーズな移行が可能で、再構築やコード変更を最小限に抑えつつ、迅速に本番環境に適用できます。結果として、移行期間を短縮し、運用リスクの低減へとつながります。
結論
日立の「uCosminexus Application Runtime」は、これまでのスムーズな開発運用の基盤を受け継ぎつつ、AI技術の進化や多様化するIT環境への対応を図った全く新しいソリューションです。今後の企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要なツールとなること間違いなしです。これを機に、業界全体のシステム開発が大きく進化していくことが期待されます。