健康増進セミナーの成功と意義
2023年6月5日、タイ・バンコクにて、株式会社三菱総合研究所(MRI)とタイ健康増進プロモーション財団(Thai Health Promotion Foundation)が共催した「Workplace Health Promotion Seminar」が開催されました。このセミナーには、日本とタイの政府関係者、産業界、学術機関が一堂に会し、両国の健康増進施策について活発な議論が交わされました。
セミナー開催の背景
タイはASEAN諸国の中でも、高齢化が急速に進展しており、2024年には65歳以上の人口割合が15%を超える見通しです。さらに2030年代前半には21%に達することが予想されています。この高齢化に伴い医療費も急増しており、2021年には約8,300億バーツ(約3.6兆円)に達しました。このような状況は、健康、医療、介護分野において、日本のヘルスケア産業が持つ知見を活かせる新たな市場機会を広げています。
セミナー概要
本セミナーでは、主要な産官学10機関が講演・パネルディスカッションを行いました。MRIが行った日泰の健康増進施策の比較分析を皮切りに、東京大学の古井先生やチュラロンコン大学のJate助教授からは、職場での健康管理が生産性向上に与える影響や、日本の健康経営制度について議論が展開されました。
特に注目されたのは、データを活用した健康ソリューションについての科学的知見です。特に、LogisticsやIT分野に強いNTTコミュニケーションズや、ウェルクル、Delta Electronics、PMAT(タイ人事管理協会)など、産業界からの先進的な取り組み事例も共有され、タイにおける健康増進の課題についても意見が交わされました。
パネルディスカッションでの議論内容
パネルディスカッションでは、MRIが提起した「従業員の健康と生産性の両立」、さらに「ヘルスケアデータ活用の重要性」などが議論されました。また、官民連携のあり方についても活発な意見が交わされ、両国が抱える健康課題への対策を考える貴重な機会となりました。
今後の展望
セミナーを通じて得られた知見は、今後のタイにおける健康施策に大きく寄与すると期待されています。特に、タイの自治体レベルの関係者とのさらなる対話が予定されており、日本の制度やソリューションの活用機会の拡大が目指されています。また、マスタープランの提案を通じて、タイの健康課題を解決するための具体的なアプローチが進められる見込みです。
お問い合わせ
本セミナーに関する問い合わせは、以下のメールアドレスまでお願いいたします。
株式会社三菱総合研究所
ビジネスコンサルティング本部
E-mail:
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報道機関からの問い合わせは
グループ広報部
E-mail:
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このセミナーは、日泰両国の健康促進に向けた取り組みの充実を目指す重要な一歩となりました。