物流レポート2024
2024-08-29 12:45:45

2024年上半期物流レポート:冷凍倉庫供給不足と国内輸送量の動向

近年の物流業界において、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)が発表した2024年上半期のレポートは注目されています。このレポートの中で、都市型冷凍冷蔵倉庫の需給バランスに関する深刻な問題が浮き彫りになっています。また、国際貨物輸送量の増加と国内輸送量の減少という矛盾する動向も報告されています。

物流施設における供給不足


都市型冷凍冷蔵倉庫の供給が不足している現状は、特に東京圏や名古屋圏で顕著です。これらの地域では、供給過多地域とは異なり、空室率が低位安定しており、需要の高まりが明らかです。東京圏では郊外において大型施設の竣工が続く一方で、都市型物流の拠点である内陸部では新たな供給が限定的であることが指摘されています。

当該レポートによると、2024年上半期の供給量は、東京圏での年間約2.3百万平米、大阪圏で約0.6百万平米、名古屋圏で約0.9百万平米を見込んでいます。しかし、地域ごとの差は明白で、一部地域では供給過多が続いており、空室率が高止まりすると予測されています。特に、東京・横浜の冷凍倉庫はフル稼働を超える状態が続いており、これらの冷凍冷蔵倉庫は従来の食品スーパーを補完する重要な存在となっています。

国内貨物輸送量の減少


一方、国内の貨物輸送量は前年に比べて2.3%減少しており、これは建設関連資材や消費関連貨物の需要が鈍いことが影響しています。これに対し、国際貨物に関しては円安進行に伴い輸出数量が増加し、前年同期比で1.3%の増加を顕在化させています。

さらに、民需の低迷により、国内企業向け物価は伸び悩む結果、2024年度の実質GDP成長率が0.2%のマイナス成長となる予測がなされています。これは四年ぶりのマイナス成長で、個人消費や住宅投資が減少している中で、外需の寄与や企業設備投資の減速が懸念されています。

物流コストの動向


日本における物流コストの比率は高く、過去10年間では年平均9.1%となっており、米国の7.9%を上回っています。輸送総量が横ばいの中、高スペックな施設の立地条件や作業効率の改善によって物流コストの削減が求められています。特に、効率化が進んでいない消費者向けEC関連のコスト削減が目立ちます。

投資市場の状況


投資市場では、開発マージンの縮小や安定した不動産価格の推移により、企業間での出口売却が増えている様子がうかがえます。金利の上昇が予想される中、資金調達環境が厳しさを増すことで、投資基準が厳格化していると報告されています。

結論


2024年上半期の物流レポートは、都市型冷凍倉庫の供給不足や国内外の輸送量の動向に新たな課題を示しています。今後の市場の動向に注視し、持続可能で効率的な物流システムの構築が求められることでしょう。


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