コリネ菌を用いた革新技術の始まり
株式会社CO2資源化研究所(東京都港区)は、主力事業である水素菌を基にしたCO₂資源化に新たな展開を加え、コリネ菌ATCC13032株を使ったプラットフォーマー事業をスタートさせることを発表しました。この取り組みは、微生物を活用したバイオプロセスにおける革新を目指しています。
増殖非依存型バイオプロセスの開発
代表取締役である湯川英明氏が開発した「増殖非依存型バイオプロセス」は、微生物の増殖を行わずに化学品を生産する新たなアプローチです。この技術では、微生物を「化学触媒」のように利用し、従来の発酵方法では解決できなかった課題を克服します。
具体的な利点としては、高効率な生産、発酵阻害物質に対する耐性、複数の基質を同時に扱うことが可能になるなどの成果が挙げられます。これにより、従来のプロセスに比べて大幅な生産効率の向上が期待されています。
国際的な評価と展望
この成果は広く評価され、2011年にはGreen Earth Institute株式会社の設立につながりました。また、その年には米国工業微生物学会からFellow Awardを受賞し、国際的な研究開発へとつながる道が開かれました。こうした技術は欧米を中心に速やかな拡大を見せ、現在では多くの関連企業や研究機関が関心を持っています。
ATCC 13032株への移行
本研究はR株という特異なコリネ菌を用いて進められましたが、工業利用の実績不足が影響し、その企業の関心を集めることが難しいものでした。そのため、ATCC 13032株を採用し、経済性を高めた次世代型増殖非依存バイオプロセスの確立に成功しました。R株とATCC 13032株はDNAレベルで顕著に異なり、これらの研究によって新たな可能性が開かれることになりました。
海外パートナーとのコラボレーション
次世代型増殖非依存バイオプロセスを活用し、コリネ菌を利用した工業プラットフォームの確立へ向けて動きを加速させる当社は、国内外問わず幅広いパートナー企業との共創を進めています。これまでのR株を基にした研究を行ってきた企業にも参加を促し、世界的な規模での産業化の実現を目指しています。
未来への挑戦
株式会社CO2資源化研究所は、コリネ菌研究の「梁山泊」として国際的な研究者たちと共に積極的な共創を続けており、「日本発の技術を世界標準に」という目標に向けて挑戦を続けています。今後の展開に期待が寄せられるこの事業は、持続可能な未来に向けた重要な一歩となるでしょう。
会社概要
- - 本社/研究所: 東京都港区台場2丁目3-1トレードピアお台場14階
- - 代表者: 代表取締役・CEO/CSO 湯川 英明
- - 設立: 2015年8月
- - 資本金: 2億4,700万円
- - HP: CO2資源化研究所
本件に関するお問い合わせは、広報担当の坂本・別府まで。Email:
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