第19回難民映画祭2024が六本木で幕を開ける
特定非営利活動法人国連UNHCR協会が主催する「第19回難民映画祭」が、11月7日、東京・六本木のTOHOシネマズにてオープニングイベントを開催しました。この映画祭は、難民問題への理解と共感を広げることを目的に、毎年行われています。今年も世界中から選ばれた珠玉の6作品が上映され、その中には日本初公開となる4作品が含まれています。
詩の朗読劇が開幕を飾る
オープニングイベントでは、詩の朗読劇『リスト:彼らが手にしていたもの』が上映され、制作を担当した関根光才監督があいさつを行いました。
関根監督は、「この世界には、無関心という並行世界が存在すると思います。この映画祭の作品は、それに対して重要なメッセージを発信しています。作品を観ることで何か行動を起こすきっかけになるでしょう」と語り、観客に呼びかけました。
大きな感動を与えた『ザ・ウォーク』
上映された作品の中で特に注目を集めたのは、ドキュメンタリー映画『ザ・ウォーク~少女アマル、8000キロの旅~』です。本作は、シリアからの難民問題を描いた作品であり、シリア難民の少女アマルが8000キロの旅を通じて強いメッセージを伝えます。アマルを演じるのは、実際のシリア難民の少女で、彼女の内なる葛藤や希望が描かれています。
トークショーで深まる理解
上映後には、タマラ・コテフスカ監督とジャン・ダカール撮影監督によるトークショーが行われました。コテフスカ監督は、「難民はただ支援を待つ存在ではなく、非常に勇敢で特別な人々です。難民問題はいつ私たちの生活に影響を与えるか分かりません。私たちがこの悲劇を断ち切るためには、世の中の理解を深めることが大切です」と語りました。
一方、ダカール監督は、「日本の皆さんが難民問題に関心を持っていることに感謝します。この映画を通じて、引き続き問題を考え続けてほしい」と述べました。
上映作品一覧
難民映画祭では、6作品が選ばれ、それぞれ独自の視点で難民問題に取り組んでいます。主な上映作品は以下の通りです:
- - ザ・ウォーク~少女アマル、8000キロの旅~(日本初公開)
- - 永遠の故郷ウクライナを逃れて(日本初公開)
- - ピース・バイ・チョコレート
- - 孤立からつながりへ~ローズマリーの流儀~(日本初公開)
- - 学校をつくる、難民の挑戦(日本初公開)
- - ぼくたちは見た -ガザ・サムニ家の子どもたち-(第7回難民映画祭リバイバル上映)
これらの作品は、困難を抱える人々の力強い姿を描き出し、多くの感動を呼び起こします。特に、難民が直面する現実やその中での希望を描く内容が多く、多くの観客に考えるきっかけを提供します。
参加方法とオンラインセミナー
「第19回難民映画祭」への参加は公式ウェブページから申し込むことができます。オンラインでの視聴も可能で、寄付付き鑑賞や無料鑑賞が選べるため、より多くの方が参加しやすくなっています。また、映画祭の期間中には、難民問題について学べる様々なオンラインセミナーも開催されます。
終わりに
この難民映画祭を通じて、多くの人々が難民問題に触れ、理解を深めることができることを期待しています。映画を通じて社会の変化が起こることを信じて、ぜひ足を運んでみてください。