次世代シーケンシング技術で進化する肺癌の診断システム

次世代シーケンシング技術で進化する癌診断

サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループは、最新の癌診断システム「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステム」に関する重要な情報を発表しました。特に、HER2（ERBB2）遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して、薬剤「ゾンゲルチニブ」のコンパニオン診断としての承認を取得したことが大きなトピックです。

進行再発非小細胞肺癌の最新診断技術

このコンパニオン診断システムは、次世代シーケンシング（NGS）技術を活用し、様々な遺伝子異常を検出することが可能です。2025年8月25日、厚生労働省から医療機器製造販売承認の一部変更が承認されたことで、これにより患者さんは新しい治療法にアクセスできるようになります。

サーモフィッシャー社は、HER2遺伝子変異を有する患者に対して新たな治療の選択肢を提供するため、このシステムを導入しました。これまで、非小細胞肺癌の患者さんに対する診断は限られていましたが、今回の承認により、より多くの患者に最新の治療法を受ける機会が広がります。

様々な遺伝子変異に対応

本システムは、非小細胞肺癌における7つの主要なドライバー遺伝子、さらに甲状腺癌においては2つのドライバー遺伝子を検出する能力を持っています。具体的には、BRAF、EGFR、HER2、ALK、ROS1、RET、METという遺伝子が対象です。また、甲状腺癌の診断においても、RETとBRAFという重要な遺伝子を検出できます。

これにより、医療現場での薬剤適応の判定を支援し、患者に応じた個別化医療の実現に寄与することが期待されています。特に、進行・再発の非小細胞肺癌患者さんにとっては、これまでの治療法では効果が得られなかった場合でも、新たな治療法が試みられることになります。

サーモフィッシャーサイエンティフィックの使命

サーモフィッシャーサイエンティフィックは、米国マサチューセッツ州に本社を置き、世界中で科学サービスを提供しています。企業としてのミッションは、『より健康で、より清潔、より安全な世界を作ること』にあり、ライフサイエンス分野でのイノベーションや臨床診断技術の開発に力を入れています。

彼らは客户に向けて革新的な製品やサービスを提供し、医薬品の開発から、研究室の生産性向上まで、様々な課題の解決に貢献しています。加えて、Thermo Scientific、Applied Biosystems、Invitrogenといったブランドを通じて、業界の最前線で活躍しています。