デジタル遺産調査:遺族の76%がロック解除に成功
株式会社GOODREIが行った新たな調査によれば、故人のスマートフォンのロック解除を試みた遺族の76%が成功したことが明らかになりました。この結果は、故人との関係性や生前の情報共有の重要性を浮き彫りにしています。
調査の背景
近年、スマートフォンやクラウドサービスを使う人が増え、個人の重要な情報が「デジタル資産」として蓄積されています。しかし、故人が亡くなった後、そのデータにアクセスできずに困惑する遺族が増えています。GOODREIは、この社会的な課題に焦点を当て、調査を通じて遺族の実情を明らかにしました。
調査結果の概要
1.
故人のスマホロック解除の挑戦
最近5年以内に近親者を亡くした方のデータを分析した結果、年々、スマホのロック解除を試みる遺族の数が増えていることがわかりました。特に2025年は、2024年よりも大幅に増加する見込みです。
2.
提案者は身近な人々
スマホロック解除を最初に提案したのは「他の親族」が多く、次いで「故人の配偶者」や「故人の子供」という結果が出ました。専門家からの提案は少ないことも特徴です。
3.
解除動機は思い出へのアクセス
遺族がロック解除を試みた理由の多くは「連絡先を確認したい」「データや写真を取り出したい」といった思い出に関連するものです。経済的な理由から試みたケースも少なからずありました。
4.
主流は従来型のロック方法
故人のスマートフォンに使われていたロック方式では「パスワード」が36%を占め、次いで「PINコード」が続きました。生体認証の使用は少なく、過去のデバイスの影響が見て取れます。
5.
高い成功率76%
調査の結果、76%の遺族がロック解除に成功したという意外な結果が出ました。この成功の鍵は、故人を知る家族が持つ情報にあると考えられます。例えば、故人の普段使っていたパスワードを試す方法が最も多く用いられました。
6.
解除を阻む課題
解除に失敗した要因としては、パスワードが不明であることや、解除に労力がかかり過ぎることが挙げられました。
7.
遺族の要望
「ロック解除方法を教えておいてほしかった」という声が多数あり、生前に必要な情報を共有する重要性が強調されました。
まとめ
この調査結果から、故人のスマートフォンのロック解除は、遺族にとって情緒的および実務的に重要な作業であることが分かりました。76%という高い成功率は、故人との関係性と情報共有の重要さを示しています。これからの時代に向けては、生前に家族間でデジタル資産や重要情報の管理について話し合い、備えることが重要です。これにより、遺族の負担を軽減し、故人の大切な思い出を未来へと繋げることが可能になります。
また、弁護士である坪内清久氏は、スマートフォンのロック解除に関する調査結果に驚きを示し、今後はセキュリティが強化され、遺族にとってますます難易度が上がる可能性を指摘しています。生前に情報をしっかりと共有しておくことがますます重要となります。
この調査は、遺族が遭遇しがちなデジタル遺品のトラブルを未然に防ぐために、早急な対策が必要であることを教えてくれます。