静岡県静岡市に本社を置くスマートブルー株式会社は、2023年7月から新たな農業モデルをスタートさせました。その名も「コミュニティ型次世代ICT農業モデル」です。このプロジェクトは、地域密着型の農場で、自然エネルギーを駆使したICTシステムを導入し、農業の生産性向上と新規就農者の参入を促進することを目的としています。
新規就農者支援の低リスクモデル
この事業の一つの特徴が、新規就農者が低リスクで参入可能な点です。特に、設備投資の負担を発電事業者が全て担うことで、経済的リスクを最小限に抑えられます。また、高単価作物の全量買取スキームを活用することで、無償で苗を支給し、農業を始めることができます。これにより、農業を試したいが不安を抱える人々にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
ICTを駆使した先端農業
次の大きな特徴は、分かりやすく言えば次世代ICTの導入です。農業環境における温度、湿度、土壌のECやPHなどのデータを収集・分析できるシステムが搭載されています。加えて、太陽光の発電量や故障状態も監視し、点滴灌水システムやビニールの開閉を遠隔で操作することが可能です。
特に、5台の移動式無線カメラとライブカメラを導入している点が際立ちます。このカメラにより、作物の生育状況をリアルタイムで把握でき、農業従事者にとってパートナーと言える存在となっています。さらに、営農日誌機能も装備し、農業を一元的にサポートする環境が整っています。
蓄電池の導入によるエネルギー自給
このモデルでは、ハイブリッド型ソーラーシェアリングを採用しており、農場内で使用する電気を賄うために自家消費用の太陽光パネルが設置されています。これにより、井戸用ポンプや夜間照明などさまざまな農業関連設備が、天候に左右されることなく利用可能となります。
防災拠点としての機能
また、農場は防災拠点としての機能も備えています。自家消費用の太陽光パネルからの電気を蓄電池に貯め、大規模な災害時でも井戸用ポンプや夜間照明を稼働させることができます。地域の人々には、非常時にこれらの設備が無償で開放される予定で、農場は地域社会に貢献する新しい役割を担っています。
期待される効果と展望
このプロジェクトにより、以前は耕作されていなかった土地が生まれ変わり、農業を通じて地域の雇用を生むことが期待されています。また、収穫期には地域の子どもたちや障害を持つ方々に収穫体験を提供し、農業学習の場にもなるとのこと。これにより、地域活性化を促す新たなモデルの確立が目指されています。
さらに、この農場は「静岡県営農型発電の高収益農業実証コンソーシアム」の実証試験圃場にも指定され、静岡県や研究機関と協力して実証事業を進めていく予定です。
今後、スマートブルーは、農地で発生する電気を蓄電し、さまざまな農業用途に供給することにとどまらず、地域のWi-FiやEV充電スタンド用の電源、さらには防災用非常電源としての役割も果たすことを考えています。この地域密着型の農業モデルが持つ可能性は、今後の農業と地域社会に大きな影響を与えることでしょう。
お問い合わせ先
興味がある方は、スマートブルー株式会社の公式ウェブサイト(http://smartblue.jp)もご覧ください。また、具体的な問い合わせは以下までどうぞ。
このモデルが日本の農業の未来を切り開くことに期待が寄せられています。