木更津高専にて第9回「高専キャリアラボ」講演会が開催
千葉県木更津市に位置する木更津工業高等専門学校(以下、木更津高専)は、2023年7月14日(月)に「高専キャリアラボ」第9回講演会を実施しました。この活動は、学生の将来のキャリアを形成するための特別プログラムであり、経済同友会との連携により、さまざまな業種で活躍する企業経営者を講師として招いています。今年度は全5回の講演を予定しており、今回がその第3回目となりました。
エンジニアリング業界のパイオニア、白井久美子氏を講師に
今回の講演では、株式会社明電舎や株式会社栗本鐵工所の取締役(非常勤)であり、BIPROGY(旧日本ユニシス)グループで長年システムエンジニアや経営者として活躍されている白井久美子氏が講師として登壇しました。白井氏は、技術者としての豊富な経験を持ち、会社経営にも携わる中で、多様性を重視する人材育成の重要性を強調しました。彼女は熱意を持って、学生たちに向けたメッセージを発信しました。
未来をその手で描こう
講演では、自身のキャリアビジョンを描くことや、目標を明確化することの重要性が語られました。社会が多様性を重視する方向に進む中で、学ぶことの意義を強調し、理系および高専卒業生としての専門性の価値についても述べました。「若いうちから専門性を磨くことが、今の時代において非常に重要な武器になる」との力強い言葉は、学生たちの心に響いたことでしょう。
さらに、白井氏は人事責任者としての視点から、現在の採用や評価で求められる能力についても詳細に語りました。具体的には、論理的思考力や課題発見・解決力、ITリテラシー、さらには生成AIを活用する力などが挙げられました。「完璧な英語は必要ない。大切なのは、相手に伝わる中身である」との言葉は、学生たちの英語に対する不安を少しでも和らげるものであり、実践的なコミュニケーションのあり方にまで触れました。
キャリア形成のための具体的手法
講演の中では、マンダラチャートを活用した目標設定の手法も紹介され、偶然の出会いをキャリアに生かす「プランド・ハップンスタンス理論」も取り上げられました。この理論は、学生自身が未来を自ら描くための大きな助けとなるでしょう。白井氏はまた、日常の行動を可視化することで成長を実感することがいかに大切かについても言及し、多角的な視点から学生たちにキャリア形成に必要な思考法を伝授しました。
今回の講演を受けて、学生たちは「自分も何かに挑戦したい」「より深く考えてみよう」といった前向きな声を上げ、将来への期待感を一層高める機会となりました。
木更津工業高等専門学校について
木更津工業高等専門学校は1967年に設立された国立高等専門学校で、卒業生は多くの分野で活躍しています。本校は、国際的な視野を持ち、創造的なエンジニアを育成することを目指し、幅広い教育を提供しています。全ての学生には、判断力や創造力を養うべく様々な支援が行われており、社会に貢献できる技術者を育てる環境が整っています。また、健康な身体と豊かな情操を育むことにも力を入れており、技術者としての基礎能力を身につけられるよう努めています。
公式ウェブサイト:
木更津高専