世界初のてんかん発作警告器、クアドリティクスが新たな一歩を踏み出す
クアドリティクスが開発した新しい革新技術
クアドリティクス株式会社が、世界初となるてんかん発作警告器を開発しました。同社は、ウェアラブル機器を利用しててんかん発作の兆候をリアルタイムで検知します。この技術は、発作が起こる数分前に警告を発することが可能で、患者の安全を大きく向上させることが期待されています。
資金調達の背景と目標
最近、クアドリティクスは、シリーズAラウンドにおいて3億円の資金を調達し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からも最大3億円の助成金を受けることが決定しました。この結果、シリーズAにおける総調達額は6億円となりました。調達した資金は、日本国内での治験や海外での薬事承認の取得、事業開発や品質管理体制の構築に充てられる予定です。
医療の未来を変える技術
クアドリティクスが開発した警告器(仮称:てんかんアラーム)は、ウェアラブル機器による心電モニタリングと機械学習を活用しています。このシステムは、自律神経の変化を追跡し、てんかん発作の兆候をリアルタイムで捉えることで、発作を未然に防ぐ新たなアプローチです。
モナシュ大学のPatrick Kwan教授もこの技術に期待を寄せ、「発作予測は極めて困難で、患者の生活の質に重大な影響を与える。クアドリティクスの技術は、患者が安心して生活できる未来を拓く可能性がある」と語っています。
グローバル展開の計画
クアドリティクスは、オーストラリアでの薬事承認を初めとした国際的な基盤を築くことを目指しています。2024年にはMedTech Actuatorのアクセラレーションプログラムに採択され、豪州子会社を設立。また、2028年には豪州での市場投入を計画し、更に米国FDAの承認を見据えた戦略を進めています。これにより、患者や医療現場に新たなソリューションを提供し、日常生活の質を向上させることが目指されます。
医療の新しい選択肢
クアドリティクスの代表取締役である林康平は、「私たちはてんかん発作に対する新しい解決策を提供し、患者が安心できる未来を創造する」と語り、日々の自己管理や発作による傷害のリスク軽減に向けた努力を続けています。
てんかんの影響を受ける患者は世界中で約5000万人とされ、日本国内でも100万人以上がケアを必要としています。発作の予測が難しいことで、患者は常に不安を抱えて生活している現状を踏まえ、この技術の実用化は重要な進展となります。医療界全体がこの新たな技術に注目し、共同研究や法的承認の面でのサポートが期待されています。
まとめ
クアドリティクスのてんかん発作警告器は、技術革新によって医療の未来を変える大きな一歩となるでしょう。患者が発作の恐怖から解放され、より豊かな生活を享受できる日が近づいていると、期待されます。今後の進展にも注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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クアドリティクス株式会社
- 住所
- 京都府京都市中京区小結棚町431-503
- 電話番号
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