札幌のホテルで新たに楽しむ日本の甘味
2015年10月から、世界110か国に展開するアコーホテルズのイビススタイルズ札幌が、新しい朝食ブッフェを始めました。注目すべきは、オホーツク産小豆を使った手作りのあんこです。これにより、インバウンド客に向けて日本の「あんこ文化」を広める取り組みがスタートしました。
新鮮なあんこの魅力を知ってもらう
外国からの宿泊者に向け、ホテルのブッフェではあんこの作り方や楽しみ方を英語で説明するボードが設けられた特設コーナーも設置されています。このコーナーは、あんこの文化に関する深い理解を促進し、北海道産小豆の消費促進に貢献することを目的としています。
近年、健康志向が高まり、「豆」の重要性が再認識されています。日本文化を体験したいというニーズも高まっており、あんこを使ったデザートの提供はその答えです。ホテルの支配人である森田雅春氏は、道東出身であり、地元の食材を活用したメニュー展開にこだわっています。彼は、近年オホーツク地方での小豆作付面積の増加に着目し、地元の食材を使用することを決定しました。
手作りでこだわるあんこの味
あんこの仕入れを考えた際、オホーツク産小豆は市場にほとんど出回っていないことがわかりました。そのため、ホテルのキッチンで一から手作りすることになりました。1回の仕込みでは2〜3kgの小豆を使用し、炊き上がると約3倍の6〜9kgのあんこが出来上がります。
10月の初めは、あんこをブッフェのデザートコーナーにラインナップしましたが、初期は手に取るお客様が少ない状況でした。そこで、レストランやフロントでお客様からの声を集め、改良を重ねてきました。特にイギリスからのお客様からは、「あんこが何か、どのように食べるのか説明が欲しい」との意見が寄せられました。その声を受けて説明ボードを設置し、あんこの特設コーナーを作りました。
あんこの新しい食べ方
特設コーナーを設けたことで、あんこの利用が急増し、ぜんざいや小倉トーストなど様々な形で楽しむお客様が増えました。また、きんぴらごぼうとあんこを一緒に楽しむ珍しい食べ方も見られるようになりました。現在、1日あたり平均で約800gのあんこが好まれて消費されています。
韓国のお客様からの嬉しい声も届いています。「粒がしっかりしていて食感が楽しめる。甘くておいしい」との感想があります。支配人の森田氏は、宿泊客の約70%がインバウンドのお客様であることを強調し、「あんこの魅力が伝わり、ホテル外でもあんこのお菓子を選ぶ人が増え、日本の文化を身近に感じてもらいたい」と期待を寄せています。これにより、北海道産小豆の消費が拡大し、生産者の支援にもつながることを願っています。
ブッフェの料金
- - 宿泊者 前日予約: 大人2,000円 / 小学生1,000円 / 小学生未満無料
- - 宿泊者 当日利用、宿泊者以外: 大人2,500円 / 小学生1,250円 / 小学生未満無料
まとめ
新たに導入されたオホーツク産小豆から作るあんこは、ただのデザートではなく、日本の食文化を外から来た人々に伝える大切な媒介となっています。イビススタイルズ札幌では、これからも地元の食材を用いて、新しい体験を創造して行くでしょう。