製造業の保全活動支援クラウド『EMLink』が資金調達を実施

製造業の保全活動を支援する『EMLink』が資金調達

設備保全総合研究所が提供する『EMLink』は、製造業やインフラ設備の保全活動を効率化するためのクラウドサービスです。本記事では、同社がプレシリーズA資金調達を実施したことをお伝えします。

資金調達の目的と背景

設備保全総合研究所（EML）では、DNX VenturesおよびDelight Venturesからの投資を受け、プレシリーズA資金調達を成功させました。この調達資金は、2025年6月に発表を予定している生成AIを組み込んだ新機能「EMLink Intelligence」の開発強化と、営業体制の充実に使用される予定です。

この資金調達を通じて、プロダクト開発の迅速化、営業体制の強化、顧客基盤の拡大を実現し、業界内でのリーディングカンパニーとしての地位を確立します。

製造業・インフラの保全業務における課題

製造業やインフラ分野では、設備の保全業務を担う技術者が不足しており、情報が散在しているため、業務の効率が大きく損なわれています。株式会社マイスターエンジニアリングによると、2020年から2045年にかけて、機械修理技術者の数は約30%減少すると予測されています。このままでは、外部のメンテナンス業者のリソースも不足し、技術者の育成問題が深刻化する危険性があります。

また、情報が分散しているため、保全履歴や点検記録などを探し出すために多くの時間を費やすことも大きな課題です。データが不足していると、十分な根拠に基づく投資判断ができず、重要な経営判断のチャンスを逃すことが多く見受けられます。

EMLが提供する解決策

『EMLink』は、アセットマネジメントの視点に立った設備保全に特化したソリューションです。同サービスは、保全業務のデータを一元管理し、業務の効率を向上させる機能に加え、経営層が根拠に基づいた適切な判断を下すための仕組みを提供します。このように、保全業務の高度化と経営判断の精度向上を両立させることで、業界の全体的な効率化と安全性の向上を図ります。

EMLの特徴

『EMLink』は、日本中の製造業やインフラ業界で導入が進んでいる設備保全/アセット・マネジメントクラウドです。また、リーズナブルな価格設定（Basic Planでは毎月9.8万円）により、様々な業界の企業が導入しやすくなっています。基本プランには以下のような主要機能が含まれています：

- データ統合型設備台帳
- 保全履歴・パフォーマンス分析
- 保全計画の策定・管理
- 消耗品・資材の管理
- ワークフロー・コミュニケーション機能
- 設備投資・維持コストマネジメント
- スマート点検（iOSアプリ対応）

事業の展望

EMLは、プラントや工場向けのDXソリューションを提供し、業界の保全活動を改革することを目指しています。代表の相原章吾氏は、設備保全の分野を強く意識し、顧客ニーズに応える製品づくりに取り組んでいます。

さらに、DNX VenturesやDelight Venturesなどの投資家からの支持を受けて、EMLは持続可能な成長を追求します。製造業やインフラ業界の発展に貢献し、社会全体への影響力を高めることが期待されています。

今後もEMLの進展を見守りつつ、製造業の未来におけるセキュリティや効率性を向上させる取り組みに注目していきたいと思います。