岡山大学が新たに開発した腹臥位用クッション
2025年6月29日、国立大学法人岡山大学から嬉しいニュースが届けられました。岡山大学の医療開発領域放射線科の馬越紀行助教を中心とする研究グループが、CT検査や治療時の患者負担を軽減するための「腹臥位用胸部クッション」を開発したのです。この新しいクッションは、患者が腹臥位で長時間体勢を維持する際に感じる肩の痛みや胸腹部の圧迫感を和らげることが期待されています。
この研究は、アズワン株式会社との共同研究として実施され、医療現場での実際のニーズを基に進められました。CT検査や治療では、患者がうつ伏せになる必要がありますが、その状態を長時間維持することは容易ではありません。患者の苦痛を軽減したいと考える看護師たちの思いからスタートした取り組みです。様々な観察や医療従事者へのインタビューを通して、患者が快適に感じる素材や形状を追求した結果、この新しいクッションが完成しました。
このクッションの最大の特徴は、そのユーザビリティです。使用する医療従事者からも、安定した体勢を保てることで、検査や治療がよりスムーズに行えるようになったとの声が上がっています。また、実際に新型クッションを使用した患者からも高評価を得ていることが、研究チームにとって大きな励みになっています。
具体的には、医学関係者たちが集まり、何度もCT装置を使って腹臥位の評価を行いながら、より疲労感の少ない形状や硬さを細かく調整してきました。その結果、患者に優しい設計が実現し、看護師の負担も軽減されることが期待されています。医療現場での患者の快適性向上と、医療従事者にとっての業務効率化の両立が叶う新しいアプローチです。
岡山大学は、地域に根ざしながらも国際的な視点を持つ研究機関として、今後も新たな医療サービス向上に向けた取り組みを進めていくことでしょう。患者に寄り添ったイノベーションを生み出し、地域の医療環境がより良くなることが期待されています。岡山大学とその研究活動の成果が、今後も多くの人々にインスピレーションを与えることを願っています。
この腹臥位用胸部クッションの研究成果は、さらなる医療技術の向上に寄与し、将来的には全国各地の医療機関でも導入されることが望まれます。この先、岡山大学とアズワン株式会社のさらなる連携がどのような新たな発展を見せるのか、注目が集まります。