双極症と視床室傍核
2026-01-15 15:23:04

双極症の新たな理解:視床室傍核の中心的役割とその可能性

双極症の神経疾患研究の新たな展開



双極症は、躁状態と鬱状態を交互に経験する精神疾患であり、約1%の人々が影響を受けています。この疾患は高い自殺リスクと社会的負担を伴うため、病態の解明が急務とされています。近年、順天堂大学医学部とカナダのマギル大学との国際共同研究によって、双極症における視床室傍核(PVT)が新たな焦点として浮かび上がりました。

視床室傍核の重要性



今回の研究では、21名の双極症患者と20名の対照者の死後脳から、視床・大脳皮質の合計82検体を用いて単一核RNAシーケンス解析が行われました。その結果、特に視床室傍核の神経細胞において、細胞数が著しく減少し、遺伝子発現の変化が顕著であることが判明しました。この研究は、視床室傍核が双極症の病態において重要な役割を果たしていることを示唆しています。

研究成果の概要



研究成果によると、視床室傍核における神経細胞の数は、双極症の患者において約半減しており、特にイオンチャネルやシナプス関連の遺伝子の発現が低下しています。中でも、双極症のリスク遺伝子であるCACNA1CやSHISA9が多く含まれており、視床室傍核におけるその変化が病態にどのように寄与しているかが今後の研究の焦点となるでしょう。

動物モデルとの関連



従来、双極症研究は主に大脳皮質に焦点が当てられてきましたが、今回の発見では、視床室傍核が情動やストレス応答に深く関与していることが確認されました。従って、視床室傍核が双極症の生物学的基盤を構成する可能性が高いと言えます。

未来への展望



視床室傍核を対象とした診断法の開発や、動物モデルやiPS細胞を用いた研究により、視床室傍核神経細胞の障害がどのように情動の変動を引き起こすかの解明が進むことが期待されます。この研究によって、双極症の新しい治療方法が開発され、その結果として患者の生活の質が向上する可能性があります。

まとめ



今回の研究は、双極症の病態における視床室傍核の役割を新たに明らかにしました。多くの患者が苦しむこの疾患に対する新たなアプローチが提示され、未来の治療法開発に貢献することが期待されています。今後、この成果が世界中で受け入れられ、さらなる研究が進められることを願っています。


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