古材の日にオープン！神奈川県開成町の持続可能なモデルハウス

2023年5月31日は、古材の日として、日本中で古材の再利用の重要性を再認識する日となりました。この日に、神奈川県開成町に新たにオープンしたモデルハウスは、古民家から取り出された古材をふんだんに利用した持続可能な住居です。これは、一般社団法人全国古民家再生協会と小田急不動産株式会社が共同で進める「ＫＡＴＡＲＩＴＳＵＧＩ」プロジェクトの一環として実現しました。

古材の日とは何か？

古材の日は、株式会社アステティックスジャパンが制定した日で、環境に優しい循環型社会の構築を促進することを目的としています。古材には、役目を終えた古い建物から救出された木材が使われ、その活用を通じて森林の保全や廃棄物の削減に貢献する意義があります。この日を通じて、地域文化や歴史の継承も目指されています。

モデルハウス概要

新しく開成町にオープンしたこのモデルハウスは、小田急不動産の手により新潟県阿賀町の古民家を基にしています。築約160年の古民家から再利用された構造材を用い、平屋の形式で設計されています。

- 所在地: 神奈川県足柄上郡開成町みなみ3丁目2-3
- 建物面積: 130m²
- 土地面積: 245.6m²
- 構造: 木造平屋

このプロジェクトは、古民家の魅力を次世代に継承することを目的にしています。住まい選びにおいては、倫理的消費（エシカル消費）を進め、この古材を通じたサステナブルなライフスタイルを提案しています。

エシカル消費の促進

「ＫＡＴＡＲＩＴＳＵＧＩ」プロジェクトは、古民家の古材利用と地域の伝統家屋のストーリーを広めることを目指しています。これにより、地域経済の活性化と環境保護を同時に実現し、住まい選びにおける新たな価値観を提供することを意図しています。

特に、古材の利用は廃棄物削減やCO₂排出の抑制につながります。具体的には、このモデルハウスで使われた古材は、杉の木換算で41本分もの炭素を貯蔵しています。このような数値は、循環型社会の実現に向けた大きな一歩となるのです。

課題と解決策

古材のリユースには課題も存在しました。例えば、古材の安定供給や保管スペースの確保、強度・品質の信頼性確保などです。全国古民家再生協会では、これらの課題に対処するため、古材倉庫の整備や品質検査の実施、さらにはNFT化による追跡可能性の確保などの取り組みを進めています。

すでに多くの事業者が参加しており、今後もさらなる普及が期待されています。

今後の展望

一般社団法人全国古民家再生協会は、これからも持続可能な循環型社会の実現を目指し、古材のリユース促進や文化の継承に力を入れていく方針です。この取り組みが、多くの人々に受け入れられ、未来の子どもたちに持続可能な社会を引き継ぐ一助となることを願っています。古材の日に開かれたこのモデルハウスが、その象徴となることを期待しています。