ドローンとAIでマラリア撲滅へ!SORA Technology株式会社がJSTの開発支援を獲得
世界で深刻な問題となっているマラリア。その撲滅に向け、日本のスタートアップ企業が画期的な技術で挑みます。愛知県名古屋市に拠点を置くSORA Technology株式会社は、科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)実装支援(返済型)に採択され、開発費の支援を受けることが決定しました。
同社は、UAV(無人航空機、通称ドローン)の空撮情報とAI画像処理技術を組み合わせ、マラリア対策サービスの事業化を目指しています。具体的には、マラリアを媒介するハマダラカ(蚊)の幼虫であるボウフラの発生源を効率的に特定し、駆除作業を支援するシステムの開発を進めていきます。
ドローン空撮とAIでボウフラ発生源をピンポイント特定
SORA Technology株式会社が開発するシステムは、ドローンを用いて広範囲の地域を空撮し、得られた画像データからAIが水たまりの位置や大きさ、温度、深さなどを分析します。さらに、これらの情報を基に、ボウフラが発生しやすい水たまりを特定し、その場所への移動経路や駆除剤の散布量の提案を行います。
効率的な駆除作業でマラリア撲滅へ貢献
従来のマラリア対策では、人海戦術によるボウフラの駆除作業が中心でしたが、広大な地域をカバーするには多くの時間と労力を要していました。SORA Technology株式会社の開発するシステムは、AIを活用することで、効率的にボウフラ発生源を特定し、限られた人員と資源で効果的な駆除作業を実現することを目指しています。
長谷川研究員の技術シーズとの連携
本開発には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の長谷川克也研究員が創出した技術シーズも活用されます。長谷川研究員は、空撮画像を用いた高精度の道路網抽出・渋滞情報取得プログラムを開発しており、この技術を応用することで、道路網が未発達な地域においても、駆除作業員への最適な移動経路を提案することが可能となります。
将来的には他の感染症対策への展開も期待
SORA Technology株式会社は、本開発を通じて、人件費や駆除剤のコスト削減、環境負荷の低減、そしてマラリア対策の効率化に貢献することで、最終的にはマラリア撲滅を目指しています。さらに、将来的には、蚊や水が媒介する他の感染症対策への展開も視野に入れています。
JSTの支援が開発を加速
JSTのA-STEP実装支援は、大学等の研究成果を社会実装へと導くことを目的としたプログラムです。SORA Technology株式会社は、JSTからの開発費支援を受け、開発を加速させ、早期の実用化を目指しています。
ドローン技術とAI技術が新たな社会課題解決へ
SORA Technology株式会社の取り組みは、ドローン技術とAI技術が社会課題の解決に貢献できる可能性を示すものです。今後、同社の開発がどのように進展していくのか、注目が集まっています。