高岡での和菓子制作プロジェクトとは
富山県高岡市にて、高校生が社会課題を解決するための和菓子制作に挑戦するプロジェクトが始動しています。この取り組みは、ツギノテ実行委員会が主導し、地元の和菓子店「中尾清月堂」と高岡龍谷高校の生徒が協力して行っています。
なぜこのプロジェクトが必要なのか
今回のプロジェクトは、高岡龍谷高校の生徒と地域企業の距離を縮めることを目的としています。富山県内では約700件の求人があるものの、地元で就職する高校生は40人程度にとどまっています。企業と高校生の交流が少なく、卒業後の進路選択の参考にする機会が不足していることがこの問題の根本にあります。地域社会とのつながりを深め、高校生たちが地元の魅力を再発見するためのきっかけ作りを目指しています。
プロジェクトの概要
このプロジェクトでは、SDGsをテーマにした和菓子の新たな可能性を探求しています。高岡龍谷高校の2年生約120名が参加し、21チームに分かれて実施しています。生徒たちは自らアイデアを考案したり、和菓子に関する授業を受けたりしながら、社会課題を和菓子によって解決する方法を探っています。
専門の指導を受けながらの制作
中尾清月堂の中尾氏からは、和菓子の知識を深める授業が行われました。また、ツギノテ実行委員会の羽田実行委員長とのワークショップでは、生徒たちが自身の経験に基づく社会課題を掘り下げ、和菓子のアイデアに結びつけていきました。
中間発表と試作品化
プロジェクトの中間発表では、全21チームから選ばれた2つのアイデアが和菓子として試作されることになりました。試作品はクラフトフェアツギノテで披露され、来場者からのフィードバックも受ける予定です。
新たに提案された和菓子の特徴
試作の和菓子には、以下の2つがあります。
1.
減らそうSDGsの課題
- 【キャッチコピー】気温上昇による暑さに負けない、新しい熱中症対策!
- 【説明】梅のミニ羊羹で、熱中症対策として作られた和菓子です。
- 【コメント】気候変動による健康リスクを軽減することを目的としています。
2.
サプリわがし
- 【キャッチコピー】和菓子を用いて現代型栄養失調解決!
- 【説明】パフォーマンス向上を目的とした栄養補給のための大福です。
- 【コメント】忙しい現代人向けに、必要な栄養素を手軽に摂取できるような和菓子です。
プロジェクトの意義と展望
この取り組みを通じて、高校生たちは地域企業の役割を理解し、地元の魅力を実感することが期待されています。今田教員や中尾氏は学生たちの真剣な姿勢に感銘を受けたコメントを残しており、このプロジェクトが今後の生徒たちの地元に対する視点を変える大きなきっかけになることを願っています。
クラフトフェアツギノテ2024
このプロジェクトの成果は、2024年10月19日・20日に開催されるクラフトフェアツギノテで発表される予定です。イベントでは、地域の伝統産業や工芸が一堂に集まり、多彩なワークショップや商品の展示が行われます。入場は無料で、これは地域とものづくりの新たな関係を築く良い機会でもあります。
高岡市の地域資源を結集したこのプロジェクトが、地域の未来を築く一助となることを期待したいですね。