徳島県とベトナム・ドンタップ省の新たな産学官連携の幕開け
2025年3月5日、徳島県と株式会社シンクスリーの関係者が、ベトナム南部に位置するドンタップ省を訪れ、現地の幹部と共に産学官連携に関する協議を行いました。この取り組みは、日本国内での人手不足問題を解決するための一環として実施され、両国間での人材交流を促進し、経済や地域開発に寄与することを目的としています。
背景:日本の人手不足問題
現在、日本では生産年齢人口が2000年をピークに大幅に減少しており、それに伴い企業の人手不足が深刻化しています。政府はこの問題に対処するため、2019年に特定技能制度を導入し、外国人労働者の受け入れを増やしています。この制度により、特に「自動車運送業」が新たに対象分野となる2024年からは、さらなる人材確保が期待されています。こうした状況を受け、株式会社シンクスリーも特定技能制度を活用し、ベトナムからの労働者育成を強化する方針を打ち出しています。
ドンタップ省との訪問内容
今回の訪問では、徳島県の関係者がドンタップ省内務局長のグエン・ヴ・ミン氏や、ドンタップ大学の代表者と面会しました。協議内容は多岐にわたり、ドンタップ省から徳島県への労働人材の派遣が具体的なテーマとして挙がりました。ドンタップ省は2024年までに約2,000人の労働者を海外に派遣する予定で、ここでの実績を踏まえて徳島県へ外国人ドライバーなどを派遣する連携体制を構築することを確認しました。
高度人材育成の提案
さらに、ドンタップ大学では徳島県とのインターンシップ制度の導入や、高度人材の育成を目指していく方針も示されました。具体的には、日本語教育を開始し、日本の文化や技術を学ぶ環境を整えることが検討されています。これにより、即戦力になれる人材の確保を図り、両国間での交流を強化していく意向です。
長期的な展望
今回の協議では、そうした人材交流を第一に進めていくことが確認されましたが、その先には農業改善に関する学術的な連携や、徳島県とドンタップ省間の産業交流も視野に入れられています。この取り組みは単なる労働力の供給にとどまらず、より広範に及ぶ経済活動や地域振興へも寄与することが期待されます。
ドンタップ省の地域特性
ドンタップ省は、ベトナム南部に位置し、特にメコンデルタ地域に属しています。ここでは経済発展が進んでいる一方で、若年層の人口が豊富で、海外への労働力供給にも積極的に取り組んでいます。日本語教育や技術の習得に興味を持つ人々が増えており、徳島県との連携が両地域に新たな発展の可能性をもたらすでしょう。
さいごに
今後も徳島県とドンタップ省が互いに協力し、勉強し合うことで、持続可能な産学官連携の構築を進めていくことが期待されています。これらの取り組みが、地域経済や社会全体へ良い影響をもたらすことを願ってやみません。