帝国データバンクの最新調査によると、2024年のクリスマスケーキの平均価格は4561円となり、前年比で149円の値上げが見込まれています。これは、物価上昇の影響を強く受けての結果であり、特に素材の価格高騰が大きな要因となっています。対して、値上げ幅は縮小傾向にあり、昨シーズンの328円に対し、今年は約3.4%の上昇となっていることから、消費者への配慮が見受けられます。
調査対象は、名だたる百貨店やスーパーマーケット、洋菓子店など100社に及び、標準的な5号サイズのホールケーキの価格が比較されています。ここ数年のトレンドとして、原材料の価格が高騰し続ける中で、ケーキの販売価格を据え置く動きが顕著であり、買い控えを懸念する動きが見られます。
2024年のクリスマスケーキにおいて、57社が前年からの価格上昇を示し、過去3シーズンで最も少ない数となっています。これには、値上げ幅が200円台以下のケーキが32社を占め、一般的に手の届きやすい価格帯の商品が多い結果となりました。
また、高級パティスリーやホテルが手がけるケーキでは500円以上の値上げが見られるなど、価格帯の二極化も顕著です。特に量販店では3000円から4000円台前半の価格に設定されている商品が多く、消費者ニーズに合ったリーズナブルな選択肢を提供しています。
原材料のコストも無視できない要因であり、特にイチゴや小麦粉などの価格上昇がクリスマスケーキに直接的な影響を及ぼしています。今年はイチゴの市場価格が前年比10〜20%上昇している見通しであるため、最終的な価格設定には影響が出ると予測されています。
消費者の意識も変化しており、スイーツ通販サイト「Cake.jp」の調査によれば、クリスマスケーキ選びにおいては味と共に価格も重要視される傾向が強まっています。今シーズン、昨年同様の高額商品からの敬遠が見られ、価格重視の動きが一層顕著になっているため、ケーキ商戦がどう展開されるか注視されます。
これらの要因を背景に、今年のクリスマスケーキ市場は、より慎重な価格戦略が求められる状況にあるといえるでしょう。消費者の財布のヒモが固い中で、どれだけ魅力的な商品を提供できるかが、各ブランドの成功のカギとなるでしょう。