株式会社レストアビジョン、視覚再生遺伝子治療薬RV-001の臨床試験を開始

株式会社レストアビジョン、視覚再生遺伝子治療薬RV-001の臨床試験を開始



株式会社レストアビジョンは、重症の網膜色素変性症を対象とした新しい遺伝子治療薬RV-001の第I/II相治験における初の患者投与を慶應義塾大学病院にて完了したことを発表しました。この治療は、視覚再生を目指す革新技術として注目されています。

RV-001の構造とその特性


RV-001は、アデノウイルス関連ウイルス(AAV)ベクターを使用した遺伝子治療薬で、特に光に応じて反応するキメラロドプシンと呼ばれる光センサータンパク質を搭載しています。網膜疾患によって消失した視細胞を補完する役割を果たし、残存する介在神経細胞内でこのタンパク質を発現させることで、視覚の回復を図ります。さらなる魅力は、低侵襲な硝子体内注射による簡便な投与方法です。この技術はオプトジェネティクス、さらには光遺伝学に基づいています。

臨床試験の重要性


本治験は、視覚再生に向けた世界初の臨床試験であり、対象となる患者は、光を全く感じない重症の網膜色素変性症を患っている18歳以上の方々です。この試験では、RV-001の安全性および有効性を評価することを目指しており、参加者は6〜15名となっています。観察期間は約6ヶ月で、この間に光感受性や視覚機能などの改善を探索的に評価します。

代表取締役社長のコメント


レストアビジョンの代表取締役社長兼CEOであり眼科専門医の堅田侑作氏は、次のように述べています。「多くの遺伝性網膜疾患は今もなお治療法が見つかっておらず、網膜色素変性症は深刻な視覚障害を引き起こす原因の一つです。この治験は、安全性を最優先に進め、患者様の視覚再生を実現する可能性を探るものです。これからも患者様に革新的な治療を提供するため、全力を尽くしてまいります。」

今後の展望


レストアビジョンは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などから支援を受けており、その研究開発の継続が期待されています。2016年の設立以来、未だエビデンスが不足している視覚再生医療の実用化に向けて、先進的な技術開発を進めています。これにより、日本国内での医療の質向上や、患者への新たな治療選択肢の提供に貢献することが目指されています。

会社概要


株式会社レストアビジョンは、慶應義塾大学医学部と名古屋工業大学の共同研究成果に基づき、網膜疾患に起因する失明患者の視覚再生に向けた治療を進めています。また、東京都港区に本社を構え、医療業界に革新をもたらすべく、引き続き研究開発に注力します。ウェブサイトはこちらをご覧ください。

まとめ


株式会社レストアビジョンのRV-001は、視覚再生において革新的な進展をもたらす可能性があります。この第I/II相治験の成功が、今後の治療の選択肢を広げることに期待され、視覚障害に苦しむ多くの患者様に希望を提供することができるでしょう。

会社情報

会社名
株式会社レストアビジョン
住所
東京都港区虎ノ門1-17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
電話番号

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