トヨタが実現した環境制御の新たな扉
トヨタテクニカルディベロップメント株式会社が新たに発表した技術は、ドライルーム内の低露点(-40℃)の分布を可視化する「ECOREQUIRE」に関するものです。この技術は、従来の温湿度センサでは難しかった低露点領域の計測を可能にし、業界に新たな選択肢を提供します。特に、高度な環境管理が求められる製品の開発・製造において、露点温度の管理は重要な要素とされており、本技術の導入が期待されています。
背景
製品の性能や品質はわずかな水分によっても影響を受けるため、露点温度の管理は不可欠です。しかし、従来のセンサ技術では以下の課題がありました。
- - 一般的な温湿度センサでは、-20℃以下の低露点温度の計測が困難でした。
- - 作業者の出入りによる水分の影響で、露点温度が変動しやすくなります。
- - ドライルーム内の露点温度のばらつきを把握できず、運用効率が下がります。
これらの問題解決のためには、露点の分布を詳細に把握し、その変動要因を特定する技術が求められていました。
環境センシングシステム「ECOREQUIRE」
トヨタは、自社の計測及び制御技術を基に、環境のばらつきを可視化する小型計測器「ECOREQUIRE」を開発しました。このシステムは、温度、湿度、CO2、気圧を時刻同期で計測し、複数のセンサを配置することで多点計測を可能にしています。計測されたデータはWi-Fiを通じてクラウドに保存され、専用アプリを利用して遠隔監視が可能です。このシステムによって、露点温度は通常の温湿度情報を元に計算され、-40℃までの計測ができるように特許出願中の技術が活用されています。
技術の特長
ECOREQUIRE TM5378-03Aの特徴には、以下のようなポイントがあります。
- - 特許出願中の補正技術により、-40℃領域でも計測が可能です。
- - また、センサにヒーター機能があります。これにより、経年変化や表面に付着した物質による誤差を軽減し、安定した計測を実現します。
最近の成果
最近の取り組みでは、ECOREQUIREがドライルーム内の複数の場所に設置され、露点温度の分布が可視化されました。これにより、以下のような実績が得られました。
- - 露点変動が発生しやすいエリアを特定。
- - 作業動線が環境に与える影響を分析し、適切なデータを取得。
このように、データの可視化は現場の品質管理を一層高める役割を果たしています。今後もECOREQUIREの展開が期待されます。
将来的な展望
ECOREQUIREの特徴である多点計測と設置の自由度は、従来の手法では難しかった露点温度の分布を可視化する新たな方法を提供します。この技術は、製品品質の保証に加え、運用の最適化を促進し、CO₂排出量の削減に貢献することで、持続可能な社会の実現に寄与していくでしょう。