神戸市で始まった空き家活用と教育融合の新モデル

新たな地域活性化モデル：神戸市での挑戦

神戸市は人口減少と空き家問題、若者の都市部流出といった課題に直面しています。このような背景の中、地域の再生を目指して、株式会社CHINTAIと株式会社RePlayce、神戸市が協力して新しい地域モデルを構築するプロジェクトを始めました。この取り組みは、空き家の再利用と教育の充実を融合させた“学住一体型”地域活性化モデルと言われ、地域に根ざした学びの場が目指されています。

地域の課題と連携の必要性

地方都市である神戸では、歴史的な背景を持つ住宅地が多く存在しますが、それに伴って空き家の増加と地域コミュニティの希薄化が進んでいます。地域に根ざした学びの場を創出し、次世代に向けた教育の重要性が強く求められています。このプロジェクトは、こうした地域のニーズに応えるものであり、産官学の連携を背景にしています。

三者はそれぞれ、地域資源の活用や住まいに関連する知見、次世代教育のノウハウを提供し、教育と地域生活を結びつけるモデルを作り上げることを目指します。

具体的な取り組み内容

1. 『高校生のためのお部屋探し＆一人暮らしガイド』の作成

CHINTAIは、高校生の自立や地域理解を深める教材として、兵庫・神戸版の『高校生のためのお部屋探し＆一人暮らしガイド』を制作します。これまでの全国共通版を地域特化型に改良し、地域の特性を活かした住教育を実現します。このガイドを通じて、高校生たちは地域での生活を「自分ごと」として捉えることができるようになります。

2. 実践型教育コンテンツの開発

地域課題に基づく「課題解決型学習（PBL）」を行うプログラムが展開されます。初年度のテーマは空き家問題で、学生たちは地域住民や事業者、行政との対話を通じて、空き家の再生に向けた解決策を考えます。このように実社会に根差した学びを提供することが新たな地域活性化の糸口となります。

3. HR高等学院神戸校の開校

2027年4月にはHR高等学院神戸校が開校予定です。この学校は地域の社会課題に向き合い、実践的な授業を通して持続可能な教育モデルを提供します。

未来への展望

このプロジェクトは、神戸市における新しい地域活性化モデルの第一歩です。今後は、得られた知見を生かし、他の地域や高等学校への教育プログラムの導入といった展開を計画しています。地域の課題に即した新たなプログラムや教材の開発を進め、全国に広がる可能性を秘めています。

奥田倫也（CHINTAI代表取締役社長）もこのプロジェクトに大きな意義を見出し、地域を身近に感じられるような学びの場の提供を目指しています。

また、小松恵一（神戸市副市長）は、この取り組みが地域活性化に大きく貢献することを期待しています。地域が抱える課題の解決へ向けて、若者の視点が重要になるとし、両者の連携を重視しています。

地域の再生と持続可能な教育の実現に向け、CHINTAIとRePlayceの連携によるこの新たな地域モデルから目が離せません。