2025年度大学入試の注目ポイント
大学入試の季節が迫る中、河合塾が発表した2025年度の大学入試における注目ポイントについて解説します。この入試ではいくつかの大きな変化が見られ、志望校を考える上で重要な情報となるでしょう。
1. 入試の注目ポイント
(1) 初の教科「情報」導入
大学入学共通テストに新たに教科「情報」が加わります。これは、97%の国立大学と44%の公立大学が受験必須とするものであり、志望者はこの科目の準備を怠らないようにする必要があります。私立大学では必須とする大学は限られていますが、この新たな科目は受験生にとって重要な試練になります。
(2) 新課程入試のスタート
2025年度の入試では、22年度より高校に導入された新教育課程が反映されます。共通テストでは、「情報」の導入に加え、数学と地歴公民の科目が変更され、国語の現代文には新たな大問が追加される見込みです。特に実用的な文章が出題されることが予想され、受験生には新たな試練となるでしょう。河合塾主席研究員の近藤治氏は、これらの変化について「過度な心配はない」との見解を示しています。
2. 大学・学部の注目ポイント
(1) 情報系・理工系学部の誕生
2025年度には、国の教育政策に基づき、多くの情報系および理工系の新学部が開設されます。これにより、より高度な情報人材育成が進むことが期待されています。特にSTEM(科学・技術・工学・数学)に関心を寄せる学生には追い風となるでしょう。
(2) 女子大の新たな取り組み
女子の進路選択が多様化する中、女子大では人文系や家政系の志望者が減少しています。この厳しい状況を打破するために、多くの女子大学が理系や情報系学部の新設、共学化などに挑む姿勢を見せています。これにより、女性の理工系への進出が期待されます。
3. 志望動向の注目ポイント
(1) 難関大志向の強まり
少子化が進む中、競争が緩和され、その影響で難関大学を目指す志望者が増加しています。5年前と比較すると、同じ成績層の合格率が向上しており、難関大学への道が開かれているといえるでしょう。近藤氏は、同じ学力でも年齢の離れた兄弟間での合格状況が変わってきていると指摘しています。
(2) 理工系志望の女子の動向
国公立大学と私立大学ともに、女子受験生の理工系を志望する傾向が強まっています。特に「機械・航空系」や「土木・環境系」といった従来は女子比率が低かった分野への関心が高まっており、女性の進出が期待される状況です。
コメンテーター紹介
河合塾教育研究開発本部の主任研究員である近藤治氏は、大学の入試動向分析を長年行っており、多くのメディアでも活躍しています。彼はデータに基づいて受験生や高校教員に対して洞察を提供しており、その明確な分析は高く評価されています。近藤氏以外にも、貴媒体の最寄り校舎への取材も受け付けています。