愛媛県のデジタル技術でエネルギー問題を解決する新たな試み

愛媛県が進めるデジタル実装プロジェクトとは

2024年8月27日、TRENDE株式会社は愛媛県のトライアングルエヒメ推進事業「デジタル実装加速化プロジェクト」に採択されました。このプロジェクトは、デジタル技術を用いて地域の課題解決に挑戦するものであり、特に「V2Xシステム」と「P2P電力取引」を活用した地産地消のための電力供給をテーマにしています。愛媛県では、2050年までに脱炭素社会を目指しており、再生可能エネルギーの導入推進が重要な課題となっています。

脱炭素社会の実現に向けた取り組み

愛媛県は「愛媛県地球温暖化対策実行計画」を策定し、県内での再生可能エネルギーの発電設備の増設を進めています。この計画の目標は、2050年に向けた脱炭素社会の実現です。また、再生可能エネルギーの発電者にとっては、売電価格の低下が経済的な課題となっている一方で、電気料金の高騰が企業や家庭に影響を及ぼしています。これにより、地域全体での余剰電力の効率的な利用に対するニーズが高まっています。

プロジェクトの具体的な内容

本プロジェクトでは、東芝インフラシステムズ株式会社（TISS）と連携し、V2Xシステムを構築する計画です。このシステムは、自動車とさまざまなモノを接続し、相互に連携させる通信技術です。具体的には、愛媛県松山市のTOSHIBA EIコントロールシステム株式会社の四国事業所に、太陽光パネルや蓄電池、電気自動車（EV）を直流で接続できるマルチパワーコンディショナを設置します。

また、同事業所と一般家庭に設置された太陽光発電システムとの間で電力取引を行う仕組みを構築します。この結果、一般家庭は高い価格で電力を売却でき、事業所は安価に電力を調達できることが期待されています。加えて、このプロジェクトは地域全体のCO2排出量の削減やエネルギーコストの削減にも寄与するでしょう。

今後の展望

TRENDE株式会社は本プロジェクトを契機に、P2P電力取引の普及を目指し、再生可能エネルギーを積極的に活用した社会の実現に向けて邁進していきます。2025年2月末までの実装検証を経て、新しい電力供給のモデルを確立することを目指しています。

この取り組みは、地域の持続可能な発展に大きく寄与するものであり、愛媛県が直面しているエネルギーの課題解決の一助となることが期待されています。地域住民や企業が協力し合い、クリーンなエネルギー社会を築くための第一歩が、このプロジェクトから始まります。興味のある方は、ぜひ公式ウェブサイトをチェックしてください。