日本におけるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな展開
江戸川病院が新たに公開したコラム、「知っておきたい“がんの種類”で変わるBNCT治療の選び方」では、BNCT治療の機器ごとの特性と、それぞれの機器が適応するがん種について詳しく解説しています。BNCTとは、ホウ素化合物を体内に取り込み、特定の中性子線を照射することで、がん細胞を選択的に破壊する放射線治療の一種です。
BNCTの基本
BNCTは、現在日本国内で6つの医療機関に導入されており、その機器によって照射方法や得意とするがん種が異なります。江戸川病院では、特に縦型のリチウムターゲット型機器に注目し、乳がん治療に力を入れています。
機器ごとの特徴と適応病種
BNCTに用いられる機器は大きく分けて縦型と横型の2種類が存在し、照射方向にも違いがあります。縦型は上から下へ、横型は横方向に中性子を照射します。
- - リチウムターゲット型 vs ベリリウムターゲット型
リチウムターゲット型は比較的エネルギーの低い中性子を発生させ、体の表面に近い病変に適しています。一方、ベリリウムターゲット型は高エネルギーの中性子を生成し、体の深い位置にある病変に対応しやすいですが、正常組織への影響が大きくなる可能性があります。
江戸川病院の乳がん治療
江戸川病院のBNCT機器は、国立がん研究センターと同じタイプのもので、乳がん治療に適した特性があります。患者が仰向けになることで、照射位置の調整がしやすく、乳房に近いところへ照射を行える利点があります。これにより、乳がんに対してより効果的な治療が可能になり、2024年12月からは自由診療として本格的な提供を開始します。
治療プロセスと患者への配慮
BNCT治療は、約2泊3日で完了します。治療は事前に入念な検査を行い、照射計画を立てた後、実施されます。この治療方法は患者にとって身体的負担が少なく、新たな選択肢として注目されています。
限界と今後の展望
江戸川病院は、BNCTの乳がん治療に特化し、今後も患者に合った治療法を提案していく方針です。他の4つの医療機関では主に頭頸部がんの治療が行われており、それぞれの機器の特性を理解し、効果的ながん治療を提供することが求められています。治療機器や手法の選択は、今後のがん治療において重要なポイントとなるでしょう。
結論
江戸川病院によるBNCT治療に関する新たな知見は、多くのがん患者にとって希望の光となるかもしれません。各種のがん種に応じた治療法の選択肢が広がる中で、個々の患者が最適な治療を受けられるよう、医療機関としての役割がますます重要になってきています。