国宝「初音の調度」
2025-03-25 11:23:49

10年振りの特別公開!国宝「初音の調度」が語る江戸時代の大名婚礼の魅力

国宝「初音の調度」の特別公開



名古屋に位置する徳川美術館で、江戸時代の大名婚礼調度である国宝「初音の調度」が10年ぶりに全面公開されます。この調度は、3代将軍の家光の長女・千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ際に特別に制作されたもので、美術工芸の最高傑作とされています。70件の調度が一堂に揃うこの特別展は、かつての華やかな婚礼の様子を現代に伝える貴重な機会となります。

婚礼の背景と千代姫の物語



千代姫は、将軍家にとって次期将軍を確保するための重要な存在として生まれました。江戸時代の寛永16年(1639年)に、2歳6ヶ月という若さで尾張家の2代目・光友に嫁ぐことになりました。その婚礼は国家的プロジェクトともいえるもので、重要な役割を果たす彼女の誕生に対して、将軍家は期待を寄せました。千代姫は身分の高い姫君として特別扱いされ、尾張家での生活が始まります。
千代姫の子供たちが次代の将軍となることで、彼女はその後の尾張家にとっての中心的存在となり、その権勢をもって将軍家と尾張家の架け橋として機能しました。

調度の魅力と特異性



「初音の調度」は、ただ豪華なだけでなく、技術と芸術が凝縮されています。そのデザインには『源氏物語』の「初音」からインスパイアを受けた意匠が多く取り入れられており、和歌の文字が巧みに隠されています。この技術は「葦手」と呼ばれ、家格の高い家だけが許可された特別な技法です。

また、漆工芸に関する多彩な技術の使用も注目に値します。例えば、漆を高く盛り上げる高蒔絵や、金粉を用いた平蒔絵、彫金埋込など、多岐にわたる技術が調度品それぞれに宿っています。こうした様々な技法が組み合わさって、唯一無二の美しさが生み出されています。
「初音の調度」はその技術と美しさのみならず、その存在自体が江戸時代を象徴する貴重な文化財であり、近年でもその存続が特に重要視されています。

現代への影響とイベント



「初音の調度」は、時代を超えて愛され、守り続けられています。今回の公開にはトークショーや関連企画として、特別な食事や解説を交えたイベントも準備されており、来場者は作品を細部まで楽しむことができるようになっています。また、数量限定のコラボスイーツ「姫君ぴよりん」を販売するなど、楽しみ方も多岐にわたります。

この特別展は、2025年4月12日から6月8日まで開催され、一般は1600円(前売り1400円)で入館可能です。

アクセス情報
  • - 所在地: 愛知県名古屋市東区徳川町1017
  • - 交通: JR中央本線「大曽根」駅から徒歩8分、市バス「徳川園新出来」下車後徒歩3分

この貴重な機会を見逃さず、是非足を運んで、千代姫の華やかな婚礼の世界を堪能してください。


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会社情報

会社名
徳川美術館
住所
愛知県名古屋市東区徳川町1017
電話番号
052-935-6262

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