Daigasエナジーと前川製作所、冷凍冷蔵倉庫における自動DR制御に成功
最近、Daigasエナジー株式会社と株式会社前川製作所の2社は、業務用冷凍機に特化した新たな技術を導入し、冷凍冷蔵倉庫でのエネルギー管理の一環として自動デマンドレスポンス(DR)制御に成功しました。この取り組みは、再生可能エネルギーの導入が進む中、ますます重要視される電力供給の調整力確保に貢献するものとして期待されています。
自動DR制御の実証実験
今回の実証実験は、前川製作所の高効率自然冷媒冷凍機「NewTon」と、Daigasグループが誇る遠隔AIエネルギーマネジメントシステム「Energy Brain」を連携させて実施されました。冷凍機が完全停止することなく、温度管理に支障をきたすことなく自動的に制御できることが確認され、冷凍冷蔵倉庫における操業の安定性向上につながる新たな可能性が示されました。
このプロジェクトは、冷凍冷蔵倉庫に対するエネルギーサービスの提案として、2024年度中にお客様への提供が始まる予定です。これには、自動DR制御だけでなく、冷凍機器のメンテナンスサービスを含むスキームが含まれています。
冷凍機のデマンドレスポンスの重要性
近年、再エネの導入拡大に伴い、電力需要の変動に応じた供給力調整が求められています。特に冷凍冷蔵倉庫は、夏季に冷房負荷が高まり、冬季には暖房の必要が生じるため、日々の運用において電力不足や過剰供給といった状況に直面することが少なくありません。これを克服するために、冷凍機の立ち上げや停止を行うことは理想的なソリューションとは言えず、温度の安定性を損なうリスクを孕んでいます。
新たな自動DR制御では、冷凍機は常に稼働し続け、温度管理が維持される中で、電力需要が高まった際にのみ冷凍機の運転効率を自動調整します。これにより、保管している商品の品質を維持しつつ、電力需要の抑制が実現可能となりました。
今後の展望
Daigasエナジーは、これまでにもアグリゲーターとしての役割を果たし、電力負荷設備や自家発電設備を通じて効率的な電力管理を実現し、お客様に報酬を提供するDRサービス「D-Response」などを展開してきました。これに加えて、「Energy Brain」を用いた距離を挟んだ自動化制御やエネルギーマネジメントサービスの提供を強化していく方針です。
また、前川製作所は自然冷媒を用いた製品の開発を追求しており、温暖化係数が低く環境に優しい冷媒を使用することで、持続可能な社会の実現を目指しています。
Daigasグループは「エネルギートランジション2050」をもとに、脱炭素社会への貢献を目指し次世代技術とサービスの開発に取り組んで征っており、社会課題の解決に挑んでいます。
最終的に、双方の取り組みは冷凍冷蔵倉庫のエネルギー管理を革命的に変えるだけでなく、企業全体の効率と持続可能性の向上につながることが期待されており、顧客に対しても新たな価値を提供していくことを目指しています。