近年、日本国内での同性婚に対する意識が高まり、複数の企業が法制化を支持する姿勢を示しています。
具体的には、「Business for Marriage Equality」(通称ビジマリ)というキャンペーンが取り組まれており、2020年から始まったこの活動には、トヨタ紡織株式会社や村田機械株式会社、株式会社ダイセルなど、大手企業が新たに賛同しており、全体の企業数は600社を超えました。
ビジマリは、結婚の平等、つまり同性婚の法制化を目指すもので、複数の非営利団体が共同で運営しています。最初は134社からスタートした賛同企業は、徐々に増え続け、2022年7月には400社、2023年2月には600社という大台に達しました。これまでに賛同した企業の中には、自動車部品メーカーや化学業界、IT企業など、さまざまなジャンルの企業が含まれています。
賛同企業の従業員数を合計すると、なんと200万人規模に達しています。このような動きは、企業のダイバーシティ推進や社会的責任を強化する一環としても見ることができ、企業の人事や人権、DEI(多様性、公平性、包括性)担当者向けに、最新の事例を共有する交流会も定期的に開催されています。
2022年12月には、日立グループを含む大企業も賛同し、今後も2025年までにさらなる企業からの賛同が期待されています。こうした動きの背景には、国会での同性婚に関する議論も影響しています。2025年3月には、高裁での違憲判決が続出し、司法の場でも同性婚の権利に対する理解が進んでいることが読み取れます。
また、昨年12月には、石破茂首相が「日本全体の幸福度に肯定的な影響を与える」と発言するなど、政府レベルでも注目が高まっています。このような状況を受けて、今後も同性婚の法制化に向けた啓発活動や企業の取り組みが加速することが予想されます。
ビジマリの共同運営には、さまざまな団体が参加しています。例えば、NPO法人LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)は、法令や制度の調査研究を行い、LGBTQ+コミュニティに対する理解を深めるための支援を行っています。また、認定NPO法人虹色ダイバーシティは、SOGI(性的指向、性自認)に基づく格差なしの社会づくりを目指しており、調査や教育活動を行っています。国際的にも結婚が平等に選べる社会が望まれる中、日本国内でも同様の流れが広がっています。
ビジマリの成長は、日本社会におけるダイバーシティとインクルージョンを進める重要な一歩であり、今後もさらなる賛同企業の増加が見込まれています。こうした企業の取り組みは、LGBTQ+に対する理解と支援の促進にも大きく寄与することでしょう。日本における結婚の自由が実現する日を、心待ちにしたいと思います。