Iktos、Synsight社を買収
2024-07-08 16:25:02

AI創薬のIktos社、細胞内相互作用検出技術を持つSynsight社を買収 - 創薬バリューチェーン強化へ

AI創薬のIktos社、細胞内相互作用検出技術を持つSynsight社を買収 - 創薬バリューチェーン強化へ



フランスのAI創薬企業Iktos社は、細胞内のタンパク質-タンパク質間およびRNA-タンパク質間相互作用を検出する技術を持つSynsight社を買収しました。この買収により、Iktos社の創薬バリューチェーンが強化され、がんや神経変性疾患などの治療薬開発が加速すると期待されています。

Synsight社は、フランス国立衛生医学研究所(INSERM)の特許技術であるMT Bench™技術を開発しており、この技術は細胞内のタンパク質-タンパク質間およびRNA-タンパク質間相互作用を、高性能AIを活用したin cellulo(細胞内)スクリーニングで検出することを可能にします。

Iktos社は、生成AIによる分子設計、逆合成解析による反応ルート探索、AI駆動型自動合成機能を備えたAI創薬プラットフォームを構築しており、今回の買収により生物学的試験の自動化という重要なステップが追加されます。これにより、創薬のDesign-Make-Test(設計-合成-評価)プロセスをさらに加速し、創薬バリューチェーン全体を強化することができます。

Synsight社のMT Bench™技術: 細胞内相互作用の可視化と定量化



MT Bench™技術は、細胞内の微小管ネットワークをベンチとして利用し、タンパク質-タンパク質間相互作用やRNA-タンパク質間相互作用を検出・定量化することで、これらの相互作用を調節する分子のスクリーニングを可能にします。この技術は、細胞内状況における貴重な定性的・定量的データを提供し、低分子がこれらの相互作用をどのように調節するかを直接観察することで、生物学的に適切な環境における潜在的な薬物候補の挙動を正確に理解することができます。

Iktos社とSynsight社が目指す未来: 新しい治療薬開発への挑戦



Iktos社は、AIとロボティクスを活用した独自のAI創薬プラットフォームを通じて、創薬プロセスを加速・自動化し、これまで手作業で多くのリソースを必要としていた創薬プロセスを革新することを目指しています。

Synsight社のMT Bench™技術との統合により、Iktos社のAI創薬プラットフォームは、生物学的試験の自動化という重要な要素を獲得し、これまで外部委託していた生物学的試験を内製化することで、創薬の効率性とスピードを大幅に向上させることが期待されます。

また、今回の買収により、Iktos社は、がんや神経変性疾患など多くの疾患において重要な役割を果たすPPIやRPIを標的とした創薬プログラムを開始することも可能になります。

Iktos社とSynsight社の融合は、AIとロボティクス、細胞イメージング、ハイコンテントスクリーニングを融合することで、創薬における新たなパラダイムシフトを起こす可能性を秘めています。今後、両社の技術がどのように融合し、新しい治療薬開発に貢献していくのか注目されます。


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