TOPPANが次世代半導体パッケージのパイロットラインを導入
TOPPAN株式会社が、2023年に買収した石川工場に次世代半導体パッケージの研究開発のためのパイロットラインを導入することが明らかになりました。稼働開始は2026年7月を見込んでおり、新たな技術革新を目指しています。本パイロットラインでは、特に有機RDLインターポーザーの開発が進められます。
この研究開発は、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募による「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」で助成されることが決まり、期待が高まります。新しい半導体技術は、生成AIや自動運転などの市場での需要に応えるものとして、大きな役割を果たすことでしょう。
次世代半導体の重要性
近年、次世代半導体は高密度化が求められています。特に、チップレット化(複数の小型チップを一つのパッケージに納めること)や、大型化したパッケージ基板が進められており、その実現にはインターポーザーと呼ばれる中間基板が不可欠です。現行のシリコンインターポーザーには大型化の課題があるため、TOPPANは大型ガラス基板を用いたインターポーザー技術の開発を期待されています。
今後、石川工場での研究開発では、ガラスコアや有機RDLインターポーザーなど、次世代半導体パッケージに求められる各種部材の開発が行われ、技術の確立を目指します。
有機RDLインターポーザーとは
具体的には、有機RDLインターポーザーはサブミクロンの配線製造技術を開発し、大容量のデータ伝送を低消費電力で実現することを目指しています。TOPPANは、国内の複数の大学や国立研究開発法人との連携を強化しながら、技術と材料の開発を進めています。
大学との共同研究により、これからの半導体技術をリードする人材の育成にも力を入れていく方針です。これにより、研究開発の質を向上させ、業界内での競争力を高めることを目指しています。
今後の展望
TOPPANは、石川工場での研究開発を通じて、先端技術のニーズを把握し、明確な開発ターゲットを設定。ガラスコア、ガラスインターポーザー、有機RDLインターポーザーの製造技術開発を進め、新しい市場の創出に寄与することを目指しています。また、顧客との関係を最大限に活かし、将来的にはその製品を量産化する計画も進行中です。
この取り組みにより、次世代半導体製品における普及を促進し、デジタル社会の発展にも寄与していくことが期待されます。成功を収めることで、TOPPANは半導体業界における重要なプレイヤーとしての地位を確立し、新たなイノベーションを生み出す要になるでしょう。