美術品市場、2021年動向
2022-03-07 22:32:48

日本の美術品市場、2021年は2,186億円規模に。ギャラリーと百貨店で明暗が分かれる中、資産性に着目した「アート指数」が注目を集める

日本の美術品市場、2021年は2,186億円規模に。ギャラリーと百貨店で明暗が分かれる中、資産性に着目した「アート指数」が注目を集める



2021年の日本の美術品市場は、前年比3%減の2,186億円規模と推計されました。これは、欧米のアート先進国が20%以上の減少となっている中で、比較的減少幅が抑えられた結果です。

市場調査では、ギャラリーと百貨店の売上動向に大きな差が見られました。ギャラリーは前年比で10%以上の減少となりましたが、百貨店は安定した売上を維持しています。この背景には、コロナ禍における行動制限の影響や、オンラインでの美術品販売の増加などが考えられます。

近年注目されているのは、美術品の資産性です。本調査では、国内アートオークションの売買データ分析から、美術品には、経年による減価するものと、一定の原資産価値を有し、資産とみなせるものがあることが結論付けられました。

美術品の資産性を測る「アート指数」の提案



美術品の資産性をより明確に評価するため、本調査では新たに「アート指数」が提案されました。アート指数は、オークションの価格データなどを統計的に分析することで、市場の動向を把握する指標です。

本調査では、オークションの価格データの中で売買代金の上位50%の作家をスクリーニングし、年毎・作家群ごとのみなし取得価格を算出しました。そして、2006年の数値を1000として、「Domestic Art」「Contemporary Art」「Foreign Art」の三つに大別し、それぞれの指数を算出しました。

アート指数と既存の指数・金融商品との比較



試作版アート指数の「Contemporary Art」と株式の代表的な指数である「S&P500」については、強い正の相関関係が見られました。両指数とも、2009年以降は上がり調子となっています。ただし、S&P500が先行して2008年、2018年に下がり、後から「Contemporary Art」が2009年と2019年に下がっていることから、金融市場に遅行してアート指数が動く特徴が見られました。

今後の展望



本調査では、日本のアート産業市場の実態をより深く理解するため、今後も継続的な調査を実施していく予定です。

マーケティング資料としての動向調査にとどまらず、商品としてのアートとして、リスク・リターンを計測するために価格分析やポートフォリオ分析など、分野を広げて調査していく予定です。

調査結果は、国内外のアート産業関係者だけでなく、アートコレクターなどユーザーにも提供し、日本のアートマーケットのさらなる成長・拡大に貢献していくことを目指します。

会社情報

会社名
エートーキョー株式会社
住所
東京都千代田区神田錦町2-2-1KANDA SQUARE 11F
電話番号
03-5797-7911

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