エスアイエナジーとイグアスは、再生可能エネルギー発電を支援するため、再生鉛蓄電池を活用した新しい低コストの蓄エネソリューション「ReBS-レブス」の実証試験を始めました。これは、発電した電力を自家消費する際や、2022年から導入予定のFIP制度のもと、売電を行う際に必要不可欠な蓄電池を低価格で提供するパッケージサービスです。
この「ReBS-レブス」は、イグアスが展開する電動フォークリフト用鉛蓄電池の容量回復サービスで培った技術を、使用済みの非常用電源用鉛蓄電池に応用するものです。これによって、容量が回復された鉛蓄電池は、リチウムイオン電池よりも約10分の1のコストで再生可能エネルギー発電者に提供されます。
開発の背景
近年、再生可能エネルギーの発電ではリチウムイオン電池が広く利用されていますが、その価格の高さや安定したリサイクル技術が未確立な点が課題となっていました。エスアイエナジーは、コストやリサイクル性、安全性の観点から再び鉛蓄電池に焦点を当てました。使い切った非常用電源用の鉛蓄電池を再生し、環境負荷を軽減し、短期間での投資回収を可能にする蓄電システムの開発を目指しています。
実証試験の内容
今回の実証試験では、再生された鉛蓄電池のライフサイクルに関わるデータを収集し、放電適正値の把握を行います。また、ユーザーの使用環境に応じた最適な運用方法をシステム化するために必要な条件の検証を行います。実験は2021年4月からスタートしており、複数の潜在ユーザーの協力のもと、系統連系や太陽光発電との連携に関する実践的な試験もしっかり進めていきます。
この実験では、銀行で非常用電源として使われていた鉛蓄電池を再生するため、リユースを前提とした環境負荷軽減の具体例としても注目されています。
将来の展望
今後の試験で得られたデータを基に、最適な運用方法を確立し、グリーンエネルギーによりエネルギーコストを削減し、CO2排出量も低減させる計画です。また、電力リソースを有効に活用し、分散型電源で電力需給のバランスを保つ社会の実現を目指します。
「ReBS-レブス」に込められた名称の由来は、「リニューアブル(Renewable)」と「リジェネレーション(Regeneration)」の「Re」と、バッテリー・システムの「BS」を掛け合わせたものです。これは、再生可能エネルギーの電力を蓄電池に貯めて活用する、環境に配慮した蓄電システムを構築することを目標にしています。
企業情報
エスアイエナジー株式会社は出光興産が100%出資する企業です。東京の新宿区に本社を置き、さらなるエネルギーソリューションの開発に取り組んでいます。公式サイトはこちら:
エスアイエナジー公式サイト