フジクラ、量子コンピュータ産業化に向けてNEDOプロジェクトに採択

フジクラが注目のNEDOプロジェクトに参加

株式会社フジクラ（CEO: 岡田直樹）が、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）の新しい研究開発事業に選ばれました。この事業は「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速（助成）」という名称で、フジクラは「低温動作小型ケーブル・コネクタ」の提案を通じて参加します。

このプロジェクトは、株式会社東芝（CEO: 島田太郎）、国立研究開発法人産業技術総合研究所（理事長: 石村和彦）、及び国立大学法人宇都宮大学（学長: 池田宰）とのパートナーシップのもとに実施されるものです。

量子コンピュータ技術の重要性

量子コンピュータは、従来のコンピュータでは実現できない革新的な計算能力を提供することが期待されています。新薬の開発や金融市場の予測など、さまざまな分野での利用が進み、その技術は世界中で急速に求められています。特に、超電導方式の量子コンピュータは、あらゆる業界に広がる可能性を秘めており、必要な性能を兼ね備えたものの開発が急務となっています。

超電導方式は、配線部素材や冷却能力に高い技術的要求があり、配線の高密度化、大規模化、そして組み立てやすさが求められています。これらの技術は、量子コンピュータの社会実装を進める上での大きな課題でもあります。

フジクラの技術による貢献

フジクラは通信、自動車、エネルギーといったさまざまな分野に向けて、高品質な電線やケーブルを提供しています。特に、電子機器分野においては高密度ケーブルや小型コネクタの供給を行い、これらは電子機器の便利さ向上に寄与しています。

本事業においては、フジクラが培った微細配線、精密加工、そして接合に関する技術を駆使し、超電導方式の量子コンピュータに必要な配線モジュールの開発に取り組みます。具体的には、以下のような技術開発を行う予定です。

1. 超電導高密度フラットケーブルおよびコネクタ
2. 常電導高密度フラットケーブルおよびコネクタ
3. 極細同軸ケーブルおよびコネクタ

これらの配線モジュールは、極低温環境下での配線の高密度化や高周波信号の安定した伝送を実現し、量子コンピュータの大規模化と社会実装を一層加速させるでしょう。