インフルエンサーの現状とステルスマーケティングの実態
近年、SNSの発展と共に、インフルエンサーという新たな職業が注目を集めています。特にInstagramやTwitterなどのプラットフォームで活躍する彼らは、ブランドとの提携を通じて収入を得ることが増えています。この度実施した調査では、現役インフルエンサーの70%以上がステルスマーケティングに関与した経験があることが明らかになりました。どのような背景があるのか、詳細に見ていきましょう。
調査概要
本調査は、2019年7月13日から7月31日にかけて、20歳から49歳の女性を対象にしたインターネットアンケートです。合計218名の回答を基に、インフルエンサーの活動状況や企業案件への関与について分析しました。特にフォロワー数別のインフルエンサーの割合についても調査し、次のような結果が得られました。
- - フォロワー数5,000~9,999人:44名
- - 10,000~19,999人:66名
- - 20,000~29,999人:28名
- - 30,000~49,999人:36名
- - 50,000~100,000人:44名
インフルエンサーの活動状況
調査結果によると、インフルエンサーの約50%が副業ではなく本業として活動しています。また、インフルエンサー全体の約80%が企業案件から得られる投稿が生活において重要な位置を占めていることも分かりました。特にフォロワーが多いインフルエンサーの場合、プライベートな投稿の割合は少なくなり、商業的な内容が増加している傾向があります。
定期的な企業案件の確定オファー
さらに、月間で21件以上の企業案件と確定したオファーを受けているインフルエンサーは全体の10%に達し、特に企業案件をほぼ毎日投稿しているインフルエンサーは全体の5%存在することが確認されました。これは、特に多くの案件に恵まれたインフルエンサーの存在を示しています。
フォロワーの男女比
なんと約70%のインフルエンサーが男性フォロワー比率50%以上を占めていることも調査で明らかになりました。女性向けの商品PRには、この性別比を考慮した企画とアプローチが必要なことを示唆しています。
ステルスマーケティングの懸念
最も注目すべきは、約70%のインフルエンサーが関係性の説明を欠いた投稿を行った経験がある点です。企業や代理店から名前や商品の提供元を記載するよう指示されなかったとするインフルエンサーの声もあり、これがフォロワーを誤解させる要因となることが懸念されています。
投稿内容への意識
また、商品と顔を一緒にした投稿、「ニコパチ」を避けたいと感じるインフルエンサーは60%を超え、その理由には「PR案件であることが明確になりすぎる」との意見が寄せられました。一部のインフルエンサーは企業の指示に従う姿勢を見せているものの、フォロワーを第一に考える姿勢が求められています。
フォロワー購入についての懸念
最後に、約80%のインフルエンサーが周囲にフォロワーを購入している人がいると感じていることが分かりました。フォロワー数に対して投稿のいいね数が非常に少ない場合、フォロワー購入が疑われるため、企業は慎重になる必要があります。
結論
この調査結果は、インフルエンサー業界の現状及びステルスマーケティングの実態を浮き彫りにしました。今後、SNSマーケティングを行う際には、インフルエンサーを選ぶ際の基準にこの調査結果を参考にすることが有効です。また、透明性の確保がますます求められる時代であることは間違いありません。特に、消費者は正直な情報を求めているため、インフルエンサーはより誠実なマーケティング手法を模索するべきでしょう。