株式会社アクポニが新たなDAC技術を導入
株式会社アクポニ(以下、アクポニ)は、スウェーデンのテクノロジー企業Direct Carbonと提携し、画期的なDAC(直接空気回収)機器「Wunderpumpe2」を販売開始しました。この新技術は、2025年10月1日から3日まで開催される「第15回農業WEEK」で初めて一般公開される予定です。アクポニはシンガポールの企業Arianetech Pte Ltdと日本での独占販売契約を結び、国内市場での展開を図っています。
Wunderpumpe2の特長
1. 収量向上と環境負荷の低減
施設園芸業界では、温室内のCO2濃度を適切に維持することが作物の収量向上に寄与するとされており、研究によれば、CO2濃度を1,000〜1,200ppmに保つことで、トマトや葉物野菜の収量は最大40%向上すると報告されています。しかし、従来のCO2供給方法にはコストや環境規制という課題がありました。
このような現状に対処するために、アクポニはDACユニット「Wunderpumpe2」を開発しました。このシステムは、空気から直接CO2を回収し、農場や植物工場に安定供給することができます。省エネ設計で、化石燃料や液体ガスに依存せずに運用できるため、持続可能な農業を可能にします。
2. コスト効率が高い
従来のCO2施用方法と比べて、Wunderpumpe2は初期投資は多少かさむものの、運用コストが非常に低く、わずか1年で従来方式を逆転する見込みです。例えば、1,500平方メートルの面積へ20kg/日でCO2を供給する場合、DAC方式は5年間で約1,400万円のコスト削減を実現できるとされています。
3. 様々な分野に適応可能
今後、Wunderpumpe2はイチゴの栽培などの実証実験にも使用され、その成果を基にした導入モデルが作られる予定です。また、飲料業界やデータセンター、自治体の公共施設など、幅広い産業においても導入の可能性があるとされています。
商品概要
- - 名称: Wunderpumpe2(WP-2)
- - CO2回収能力: 約2kg/日
- - サイズ: 504×428×526 mm
- - 重量: 31kg
- - 消費電力: 2.3kW
- - 筐体: ステンレス製
このシステムはモジュール式設計であり、さまざまな規模のビジネスニーズに応じて柔軟に対応できます。拡張性もあるため、導入が比較的容易であり、研究施設やスペースに制約のある場所でも使用可能です。
世界的な展開と評価
WunderpumpeシリーズはすでにEUやアジアの栽培環境での試験を経て高い評価を得ており、世界的に注目が集まっています。アクポニはこの新技術を通じて、カーボンニュートラルの実現に向けた新しいスタンダードを目指しており、農業分野を越えた多様なアプローチを展開していく考えです。
これにより、地球環境保護だけでなく、農業生産の効率化にも貢献できることが期待されます。アクポニの「アクアポニックスで地球と人をHAPPYに。」というビジョンのもと、この新技術の普及を通じた変革が始まります。
今後の展開や導入に関するお問い合わせは、アクポニへの連絡が推奨されています。