転職市場の募集月給レポート
分析会社「株式会社フロッグ」が発表した2025年7月度の転職市場における募集月給のレポートが注目を浴びています。このレポートによると、転職市場全体での月給の平均は約28万8623円であり、過去5年半で13.43%の上昇が見られました。この見出しの下、最も高い月給を提示した企業、グロービング株式会社は、166万6666円で堂々の首位を獲得しました。
賃金の動向
内閣府の発表によれば、2024年に名目賃金の上昇率が33年ぶりの高さを記録したことも影響し、特に初任給を含む若年層での賃上げが顕著になっています。しかし中年層では賃金の上昇が抑制されるなど、賃上げにはばらつきが見られます。
このような背景を踏まえ、実際の転職市場の状況を見てみると、2025年に入り求人件数は市場からの需要を反映して、堅調に増加していることが確認されました。正社員系の求人は290,067件に達し、一方で賃金水準もじわりと上昇しています。
求人件数の推移
2025年7月時点の求人件数は290,067件で、2020年1月の90,230件から221.48%も増加しています。この増加はコロナ禍からの回復を背景にしたものであり、今後の市場環境に対する期待感も見て取れます。募集月給の平均は2020年1月の25万4441円と比べて約3万4182円上昇しています。
企業別募集月給ランキング
このレポートでは企業別の募集月給ランキングも発表されています。
1位:グロービング株式会社 - 166万6666円
2位:株式会社プテロン・コンサルティング - 150万円
3位:株式会社レイヤーズ・コンサルティング - 141万6666円
4位:株式会社ファーストデジタル - 140万円
このように、特にコンサルティング業界において高水準の月給が続出していることがわかります。特に経営層やマネージャークラスの求人が中心である点が特徴的です。中には建設・不動産業界からも高待遇を提示する企業があります。この傾向は、即戦力となる人材を求める企業の意向を反映していると言えるでしょう。
業種別、職種別の募集月給
業種別でも「コンサルティング/専門事務所」が月給35万7897円で業種別1位を記録し、続いて「ITエンジニア」や「クリエイティブ職」が上位にランクインしました。職種別では、特にIT系の専門職が高水準を保っています。
また、都道府県別の観点からも興味深いデータが揃っています。例えば青森県では前年比+5.59%の上昇を記録し、全国的な傾向とは異なる動きも見せています。これにより地方における賃金の伸びも注目されるところです。地域別の賃金水準も、最近の求人環境に影響を及ぼしています。
まとめ
本レポートを通じて、企業が提示する賃金や地域による違いなど、転職市場の最新のトレンドを確認することができました。今後も企業は優秀な人材を確保するために、労働条件の改善が求められるでしょう。今回のデータは、採用戦略や転職活動において非常に有益な情報となります。今後もこのデータを基に、より深い分析が期待されます。再度、この情報を活かした戦略の構築をお勧めします。
調査概要
本レポートは、「doda」「type」「エン転職」「マイナビ転職」など、様々な求人媒体からのデータを基に作成されています。正社員の求人情報を集計し、分析した結果、転職市場の現状が浮き彫りになりました。これによって、最新の求人動向や賃金水準を把握できる貴重な資料となっています。今後の採用活動に役立てていただければ幸いです。