滋賀県における生成AI活用の進展と業務効率化の取り組み

滋賀県における生成AI活用の進展

滋賀県では、NTT西日本グループと協力し、業務効率化を図るための「生成AI導入コンサルティング及び活用検証」を行っています。特に、生成AIの導入を通じて業務プロセスを見直し、職員が実際に技術を活用できる環境を整えることを目指しています。

1. 背景と目的

昨今、AI技術の進化は著しく、多くの企業や自治体でその導入が進められています。滋賀県も例外ではなく、2023年度から生成AIの活用方針を策定し、試行的に導入を行っています。

導入した生成AIツール「LoGoAIアシスタント」は、620名の職員によって試用され、導入にあたっての課題としてスキル不足や適切な使い方の理解が挙げられました。そのため、次の段階として、生成AIの特性を理解し、実践的スキルを育成するための取り組みを始めました。具体的には、生成AIに対する理解を深め、効果的な利用法を知ることが求められています。

目的

1. 生成AIの得意・苦手分野を理解し、効果的な利用法を学ぶこと。
2. 実現性の高い業務プロセスの再設計を行い、運用手法を明確にすること。

2. 本業務の実施概要

この業務では、職員のスキル向上を目指し、座学やハンズオン研修、ワークショップなど多岐にわたる育成コンテンツを提供しています。さらに、業務プロセスの再設計や精度向上に向けた作業として、以下の4つのステップを踏んでいます。

業務実施概要

1. 現状分析と課題整理。
2. 生成AIを活用するための業務プロセスの再設計。
3. 設計したプロセスが機能するかのテストとチューニング。
4. テスト結果を基に、職員視点での実現性高い業務フローの策定。

3. 成功事例

この業務を通じて出た具体的な成功事例を2つ紹介します。

事例①：議会答弁事務の効率化

生成AIを活用し、情報検索から答弁案作成、修正までの流れをワークフロー機能で自動化した結果、作業時間が約6割も短縮されました。

事例②：案件振分けの自動化

RPAと生成AIを連携させ、案件の確認、担当者の判断、メールの作成・送信をすべて自動化したことで、作業負担が大幅に軽減されました。

4. 今後の展望

本業務を通じて、生成AIの活用事例を積み重ねていくことが重要です。また、実運用の観点から、精度の向上に向けた取り組みも不可欠であり、これらを基に組織全体での業務改革をさらに進めていく計画です。今後、2025年度以降には、生成AIを活かした業務の展開をさらに広げることを目指し、連携を強化していきます。