冒険と愛が織りなす舞台「カサブランカ」
2025年9月6日に博品館劇場で開幕する朗読劇「Classic Movie Reading Vol.5 カサブランカ」。この劇は、世界中で愛され続けている名作映画を元にした朗読劇で、主演には廣瀬智紀が名を連ねています。本作はハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが共演した映画からインスパイアされ、1941年のモロッコ・カサブランカを舞台にしています。
名作のストーリーを再解釈
物語は、自由を求める人々が集まる酒場が舞台。主人公リックは、かつて愛した恋人イルザとその夫でレジスタンスの指導者ラズロの再会を果たし、どの選択をするべきか迷う姿が描かれています。聞く者の心を奪うこのストーリーは、戦争の真っ只中にいる人々の真情や愛の形を巧みに描写しています。
キャストの意気込み
開幕に先駆けて行われたゲネプロと取材会では、主要キャストの廣瀬智紀、有沙瞳、鍵本輝がそれぞれの役について語りました。
廣瀬は「熱血演出家の坪井さんのもと、これまでの稽古で自信を持ってきています。今回は稽古時間をしっかりと確保できたので、それに伴って求められるものも高いと感じています。楽しみで少し不安でもありますが、絶対に良い作品に仕上げます」と意気込みを語りました。
また、有沙は「稽古を通じて坪井さんの演出の的確さを身を持って感じました。公演回数は限られていますが、全力でお客様に心を込めて演じていきたいと思っています。」と述べました。
鍵本は「この作品は世代を超えて共感を得る名作です。日本版の朗読劇として新たな熱量を持った演技を目指し、最後まで全力で取り組んでいきます。」と自身の役に対する思いを語りました。
演技の深み
リックのセリフには「君の瞳に乾杯」という名セリフがあり、廣瀬はその表現の難しさについて「普段言わないようなセリフをリアルに表現するのは大変ですが、その一言がリックの魅力を引き立たせます。だからこそ、一言一言を大切に演じたい。」と話しました。
また、稽古を通じて自分が乗り越えてきたことについて、「最初はセリフを全部覚えていると思っていなかったが、やっているうちに自然に覚えていました。こんな朗読劇は初めてです。」と振り返りました。
朗読劇の魅力
朗読劇の魅力は、役者の声によって作品が新たな命を宿すことです。今回は男性キャストが多く、稽古場ではそれぞれが個性的なキャラクターを引き出すエネルギーに満ちていたと有沙が語ります。「男のエネルギーに刺激を受け、私もより強いものを持って演じなければと思いました」と述べました。
鍵本は、「稽古中の坪井さんの情熱が全員に伝わり、みんなで毎日新しいアプローチに挑戦してきました。最終的にはライブ感を大切にしたいと思っています。」とも語りました。
結びに
リックとイルザ、ラズロの愛と信念が交錯する物語を通じて、観客には人間の尊厳や信念を伝えられればと廣瀬は締めくくりました。「戦時中の作品ですが、人々の心の中にある美しさや命の尊さを感じ取っていただけたら嬉しいです。ぜひ劇場でお待ちしております。」と呼びかけました。
このように、新たな形で生まれ変わる「カサブランカ」は、単なる朗読劇ではなく、観る者の心に深く響く作品に仕上がることでしょう。開幕がますます楽しみです!