AI活用におけるシャドーAI利用の実態とそのリスク分析
近年、AIの業務利用が進む中、そのセキュリティリスクが注目されています。LRM株式会社の「AI活用と組織のガバナンスに関する実態調査」によると、特に“シャドーAI”と呼ばれる、個人が会社の方針なく使用するAIの利用実態が浮き彫りになりました。調査対象は、業務でAIを活用している会社員や公務員、経営者1,080名で、結果はAIの正しい利用方法や組織の方針の重要性を示唆しています。
シャドーAI利用者の状況
調査結果によると、会社がAI利用に関する方針を具体的に示していない組織では、54.0%がシャドーAI利用者であることがわかりました。これは、方針を明確に示している組織の17.5%と比べると、約3倍に達する数字です。この現象は、業務におけるAIの評価や使用において、組織のガバナンスがいかに重要であるかを物語っています。
特に、業務で使用しているAIアカウントの内訳を尋ねたところ、プライベート契約のアカウントを利用している人が全体の24.0%を占めています。この結果は、多くの社員が自己判断でAIを業務に活用していることを示しています。また、シャドーAI利用者のうちの30.9%は、実際に作業の多くをAIに任せていることも判明しました。
AI利用のリスク
これらのデータは、組織全体のセキュリティリスクにも直結しています。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」においては、AIの利用がもたらすサイバーリスクが上位にランクされています。一方、「AIを安全に利用する方法がわからない」という企業のジレンマは依然として存在しています。
可視化の重要性
調査では、利用実態を可視化している組織ではシャドーAI利用者が12.0%と低い割合に留まる一方、可視化の仕組みがない組織では33.9%となることが明らかになりました。これは、社員がどのようにAIを使用しているかを把握することが、AI利用の管理とリスク低減につながることを示していると言えるでしょう。
また、実際に多くの組織がAI利用を推奨も制限もしていない状態で、個人の判断に依存する姿勢が、シャドーAI利用者を増加させる要因となっていることがわかりました。
会社の態度とAI活用
シャドーAI利用を行っている社員の60%以上は、企業の方針を見知らぬ状態で業務を行っています。これは明確なルールやガイドラインが不足していることを示しています。一方、企業がAI利用の方針を明文化し、社員に周知徹底することがリスクの軽減に重要です。
セキュリティ教育とAI活用推進
LRM株式会社は、これらの問題を解決するために、利用実態の可視化と教育の提供を強化することが重要であると考えています。セキュリティ教育クラウド「セキュリオ」や新たに提供するAIガバナンスサービス「マモルオ」を通じて、安全なAI活用をサポートします。代表取締役CEOの幸松哲也は、「シャドーAI利用は社員のAI活用意欲を示すもので、一律禁止ではなく、実態を把握した上で安全な環境を整えることが必要だ」と語ります。
AIは新しい働き手となり得る存在であり、適切なルールや教育を通じて即戦力化する必要があります。LRM株式会社は、サポート体制を強化し、持続可能なAI活用を推進していく所存です。
今後、企業としてAI活用の実態を把握し、リスクを低減し、安全に運用するための方針を構築し、社員が安心してテクノロジーを活かせる環境づくりが求められています。