ブラザーのコンピューターミシン「オーパス8」とは
1979年にブラザー工業株式会社が発売した「オーパス8」が、国立科学博物館の「重要科学技術史資料」に登録されたことが、大きな話題となっています。オーパス8は、日本の家庭用ミシンの分野において初めてマイコンを搭載した製品であり、ミシン工業の歴史において特に重要な意義を持つ技術革新を代表する存在です。2024年9月10日に登録証の授与式が開催され、未来技術遺産としての栄誉を受けました。
未来技術遺産制度とは
未来技術遺産とは、国立科学博物館が科学技術の発展に寄与する重要な資料を選定して登録する制度です。これにより、次世代にその技術の継承が期待されています。この制度は2008年度から実施され、2024年度には18件が新たに登録されました。登録された資料は、その科学技術を示す重要な成果としての意義が認められています。
オーパス8は、ブラザーが提供する独自技術によるミシンであり、かつての家庭におけるミシンの普及を後押ししました。特に、模様選択や針の定位置停止、そして縫い速度の調整など、五つの主要機能をマイコンで制御できる技術は、当時としては画期的なものでした。これにより、ユーザーはより多様な縫製を行うことができるようになりました。
オーパス8の展示と周辺情報
オーパス8は、国立科学博物館の日本館1階中央ホールにて9月10日から29日まで開催される企画展「令和6年度未来技術遺産登録パネル展」において展示される予定です。これに併せて、オーパス8の実物と詳細な説明パネルが設置され、訪れる人々にその歴史と技術の重要性を伝える機会が提供されます。
さらに、ブラザーの歴史や製品に関する情報を深く学ぶことができる「ブラザーミュージアム」も注目されています。名古屋市に位置するこのミュージアムでは、オーパス8をはじめとする製品の展示が行われており、入場は無料です。訪問者は、ブラザーがどのように「モノ創り」を進化させてきたのかを体感することができます。
終わりに
オーパス8の登録は、ブラザーにとっての大きなマイルストーンであると同時に、日本の技術革新を示す大切な資料でもあります。この特別なミシンが持つ技術的価値を改めて知ることで、私たちの日常生活におけるミシンの役割や、その重要性を感じることができるでしょう。今後の国立科学博物館での展示やブラザーミュージアムでの体験を通じて、より多くの人々がこの魅力的な技術に触れることを期待しています。