がん治療の新たな展開
がん治療における薬物療法は、患者にとって重要な選択を伴うプロセスです。しかし、インフォームド・コンセント(IC)の過程においては、医師の業務が多忙を極め、患者の待ち時間も増加するなど、さまざまな課題が指摘されています。株式会社TransMedが展開する「Dr.レジメン」は、これらの問題を解決するために開発された画期的なサービスであり、星光病院に導入されたことで注目を集めています。
複雑な医療現場の現状
医療機関における医師の労働負担は、今後ますます厳しくなることが予想されています。特に、がん治療のような専門的な分野では、患者に対する治療の説明や同意書の取り交わしが多く、ICの過程で多くの時間を要するため、医師の業務が圧迫されています。このような状況では、十分な説明を行う時間が不足し、患者は満足のいく理解を得られず、安心して治療に臨むことが難しくなります。
「Dr.レジメン」の有効性
「Dr.レジメン」は、タブレットを活用して、患者が待ち時間中に事前に薬物療法に関する説明を受けることができるサービスです。このサービスを導入することで、医師は患者一人一人に対してこれまで以上に詳細な説明を効率的に行うことが可能となり、待ち時間の短縮にも寄与します。また、面談時には、タブレット上で事前説明の内容を一緒に見ることで、理解を深めることができます。
特筆すべきは、説明から同意書へのサイン、さらには同意書の保存までを一貫して「Dr.レジメン」で行えることです。このシステムにより、同意書は患者に直接メール送信することも可能で、手続きが大幅に簡素化されます。さらに、同社が開発中の患者向け薬剤情報提供サービス「Dr.クエリ」とも連携し、患者はいつでも自分に関する情報を振り返ることができます。
医師からの支持
日本がん研究治療機構の岩瀬哲氏は、「Dr.レジメン」の導入により、外来でのICの時間短縮と患者のリテラシー向上が達成されたと語っています。特に、患者が必要な情報を事前に得ることで、より適切な質問ができ、医師とのコミュニケーションが改善されることが期待されています。このように、「Dr.レジメン」は医療の質を落とさずに業務の効率化を実現する有効な手段となるでしょう。
会社概要
株式会社TransMedは、「Better Health for All」をビジョンに掲げ、医療機関におけるデジタル化を推進しています。がん薬物療法のデジタルICサービス『Dr.レジメン』や、医療情報配信システム『Dr.クエリ』の開発・運営に力を入れ、医師や患者、製薬会社との連携を深めることで、より良い医療サービスの実現を目指しています。
会社情報
- - 会社名: 株式会社TransMed
- - 代表者: 清水翔太
- - 所在地: 東京都千代田区九段南一丁目5番6号りそな九段ビル5F KSフロア
- - 設立: 2022年2月17日
- - 業務内容: がん薬物療法のデジタルICサービスの開発・運営、医療情報の配信システムの開発・運営、医療機関のデジタル化支援など
- - 会社HP: transmed.co.jp