月面水資源採掘
2025-05-09 10:23:21

月面での水資源採掘に向けた新たな挑戦、ispaceと高砂熱学工業が覚書を締結

月面での水資源開発に向けた新たな協力



株式会社ispace(東京・中央区)は、2023年に高砂熱学工業(東京都新宿区)と共同で月面におけるサーマルマイニング技術の実証に関する覚書を締結したことを発表しました。これは将来の月面環境における水採取技術を実際に試みるプロジェクトの第一歩です。

サーマルマイニング技術とは?


サーマルマイニング技術は、月面の環境で水を採掘するために開発された革新的な技術です。この技術は、月面の表面に存在する水分を蒸発させ、その後に生成される水蒸気から水素と酸素を取り出すことを可能にします。具体的な運用としては、ispaceが製造する月面探査車にこの技術を搭載し、月面での水資源の採掘を実証することが目標です。

高砂熱学工業は、2019年にispaceが推進する民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」にコーポレートパートナーとして参画した以来、両社は熱利用技術や水電解技術を中心に協業してきました。特に、2025年には初めての月面環境での水素と酸素の生成実験を行う予定であり、この取り組みが今後の宇宙資源の活用にどのように寄与するのか注目されます。

さらなる展望


ispaceは、2025年1月15日に無事にミッション2の打ち上げを完了し、最短で同年6月6日に月面着陸を目指しています。このミッションでは、高砂熱学工業が開発した月面用水電解装置を用いて、水の電気分解を行い、月面での水素および酸素の生成に挑戦する予定です。

「月に存在すると言われている水は貴重な資源です。ispaceが目指すシスルナ経済圏の構築において、高砂熱学工業の水の採掘技術は大いに貢献するでしょう」とispaceの代表取締役社長、袴田武史氏は語ります。

一方、高砂熱学工業の社長である小島和人氏も、「私たちは人類の未来を切り拓こうとする挑戦に立ち向かっています。この新たなパートナーシップを通じて、月面での水資源採掘技術の実証に向けて取り組んでいきます」とコメントしています。

未来の宇宙資源活用


これらの取り組みは、宇宙における持続可能な生活圏の実現に向けた重要なステップとなります。両社の協力により、月面での水資源の採掘が成功すれば、将来の宇宙探査や他の天体の資源開発に対する道を切り開くことが期待されるのです。

現在、ispaceは、日米欧の3つの拠点で開発を進めており、2026年には米国法人が主体となるミッション3の実行を計画しています。これはさらに拡大する宇宙資源市場において、重要な役割を果たすことになるでしょう。

月面資源の採掘は、将来的に宇宙産業の発展や人類の生存圏の拡大に寄与するだけでなく、地球上の資源枯渇問題にも対処する可能性があります。今後の進捗に目が離せません。


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会社情報

会社名
株式会社ispace
住所
東京都中央区日本橋浜町3-42-3住友不動産浜町ビル3F
電話番号

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