交通遺児、ヤングケアラー調査
2024-07-11 10:09:17

交通遺児育英会、奨学生への「ヤングケアラー調査」で新たな実態明らかに!15.8%にケア経験、支援策見直しへ

公益財団法人交通遺児育英会は、奨学生の生活実態を把握するため、初めての「ヤングケアラー調査」を実施しました。調査対象は、奨学生830名のうち366名で、Webアンケート形式で2024年3月4日から3月24日にかけて行われました。

調査結果によると、奨学生全体の15.8%がヤングケアラーとして家族の世話をしてきた経験を持つことが判明しました。これは、令和2年全国調査で高校生の4.7%がヤングケアラーだったことを考えると、非常に高い割合です。

特に、高校生の16.7%がヤングケアラー経験を持つという結果が出ました。主な世話の内容は、父親に対しては「外出の付き添い」「家事」「見守り」、母親に対しては「家事」「外出の付き添い」「感情面サポート」などです。

さらに、高校生の64.7%、大学・短大生以上の24.4%が「ほぼ毎日世話」をしてきたと回答しました。世話に費やす時間は、1日あたり1時間未満の高校生は43.8%、大学・短大生以上の27.5%でしたが、約10%が「5時間以上7時間未満」費やしていることもわかりました。

ヤングケアラーの健康状態について、身体的に「あまりよくない」と回答したのは、高校生が17.6%、大学・短大生以上が4.9%、精神的に「あまりよくない」と回答したのは、高校生が5.9%、大学・短大生以上が4.9%でした。

相談経験については、高校生の82.3%が相談したことがないと回答し、大学・短大生以上では65.9%でした。相談する際の主な相手は「友人」で、相談しない主な理由は、高校生では「家族のことのため話しにくい」「相談しても状況が変わると思わない」、大学・短大生以上では「誰かに相談するほどの悩みではない」でした。

助けてほしいこととしては、高校生では「家庭への経済的支援」「修学に対する経済的支援」、大学・短大生以上では「家庭への経済的支援」が主な要望でした。

この調査結果から、奨学生の多くがヤングケアラーとしての経験を持ち、その影響が健康状態や相談行動に現れていることが明らかになりました。交通遺児育英会は、この調査結果を今後の支援プログラムの策定に活用し、奨学生に対する支援を強化していく予定です。

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