アオイバイオ、インドネシアでβ2GPIネオセルフ抗体検査の展開へ
AOI Biosciences株式会社(アオイバイオ)は、住友商事株式会社およびPT Medika Loka Manajemen(Hermina)との提携により、β2GPIネオセルフ抗体検査をインドネシアで提供することを発表しました。この検査は、不育症の原因として知られるβ2GPIネオセルフ抗体を血液を用いて調べるもので、その陽性率を確かめる研究が行われます。
不育症とβ2GPIネオセルフ抗体の関連性
この共同研究では、18歳から45歳の不育症患者100名を対象に、β2GPIネオセルフ抗体の測定が行われ、その結果陽性の場合に適切な治療を受けることで、妊娠や出産の成功率が向上することが期待されています。不育症の原因となる流産や血栓症が約20%を占めることから、早期の検査が重要視されています。
実際の臨床研究では、陽性と判定された患者に施された治療において、不育症の場合は生児獲得率が1.7倍、不妊症の場合は妊娠率が2倍以上高い結果が報告されています。これにより、β2GPIネオセルフ抗体検査の実施が不妊治療の新たな選択肢を提供することが期待されています。
共同研究契約の調印式
最近開催された合同の調印式には、アオイバイオの代表である末田伸一や住友商事の上田茂が出席し、協力の内容について確認しました。この取り組みは、インドネシア国内の医療充実に向けた重要な一歩と位置付けられています。
β2GPIネオセルフ抗体検査の仕組み
β2GPIネオセルフ抗体検査は、免疫疾患などの自己免疫疾患とも関連がある新しいタイプの血液検査です。日本では先進医療として認定されており、アオイバイオが唯一の実施機関としてこの検査の測定を行っています。
アオイバイオは、感染症や自己免疫疾患を中心に、情報解析技術と独自のバイオ技術を融合させた検査事業や創薬事業を展開している企業です。会社設立は2019年で、近年急成長を遂げています。
住友商事、Herminaについて
住友商事は、世界64カ国に拠点を持つ総合商社で、数百社のグループ会社を抱えています。鉄鋼からデジタルメディア、ライフスタイルに至るまで、多岐にわたる事業を展開しています。一方、Herminaはインドネシアで最大のプライベート病院グループであり、52の病院を運営し、年に600万人以上の外来患者にサービスを提供しています。
この共同事業により、アオイバイオ、住友商事、Herminaがそれぞれの強みを生かし、インドネシアの不妊治療市場において新たな価値を提供していく姿が見込まれています。今後の展開に期待が寄せられています。