アドバンテックとNagarroの戦略的提携の概要
2025年4月10日、国内外のデジタル製品技術コンサルタント企業であるNagarroと、台湾のアドバンテック株式会社が業務提携を締結しました。この提携は、エッジAI市場の成長を加速するための重要な一歩となります。アドバンテックは、エッジコンピューティング向けのソフトウェア定義アーキテクチャ「EdgeSync」の強化を目指しています。このプラットフォームは、エッジデバイスとクラウドサービスのシームレスな統合を実現することを目指しています。
提携の背景と期待される効果
アドバンテックは、エッジコンピューティング分野で40年以上の経験をもつ企業として、Nagarroとの共同開発により、AIの導入が進むエッジAIエコシステムを強化します。Miller Chang社長は、両社が持つ技術力を融合させることで、企業がAIアプリケーションを迅速に展開できる環境を提供し、スマート製造や医療、オートメーション、交通などの主要産業におけるデジタルトランスフォーメーションを加速させると述べています。
Nagarroの CEOであるManas Human氏は、この提携が新たな商業的機会を生み出し、エッジAIの必要性がますます高まる中で、両社の共同作業が重要であることを強調しています。エッジデバイスの数が増加する中で、AIのユースケースも広がると予想され、社会全体でのAIの採用が急速に進行することが期待されます。
グローバルな展開に向けた意気込み
Mark Yang副社長は、オープンソースの推論モデルの普及に伴い、エッジコンピューティング市場が成長していることを指摘しています。これにより、各業界で高性能かつ低遅延なエッジAIソリューションへのニーズが高まっています。アドバンテックとNagarroの提携は、技術革新だけでなく、ビジネスシナジーをも生み出し、新たな商業機会へのアプローチを可能にするとしています。
提携の一環として、アドバンテックは「Edge Computing & WISE-Edge in Action」というブランド戦略のもとで、エッジAIのモジュールやサーバー、産業アプリケーションの新しい開発を進めていくことを発表しました。これにより、さまざまなAIチップメーカーと連携し、エッジAIソフトウェア開発の迅速化を図ります。
アドバンテックの企業ビジョンと今後の展望
アドバンテックは、2025年からの新たな戦略に基づき、エッジコンピューティングとエッジAIを中心とした事業を強化していく方針です。「Enabling an Intelligent Planet」というビジョンの下に、社会課題の解決を目指して、AIとIoTを駆使したソリューションを提供し続けます。
Nagarroとの業務提携は、両社にとって相互の強みを活かした新たな可能性を探るきっかけとなり、エッジAI技術を通じてグローバル企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するとともに、持続的な成長の実現を目指します。テクノロジーの進歩がもたらす未来に向けて、エッジコンピューティングを活用した次世代のソリューション開発へ、両社が注力していくことが期待されています。