独立行政法人評価制度委員会:内部統制の取組事例から学ぶ、組織の健全化と成長
独立行政法人評価制度委員会:内部統制の取組事例から学ぶ、組織の健全化と成長
独立行政法人評価制度委員会では、令和6年4月15日に第48回独立行政法人評価制度委員会・第65回評価部会(合同会議)が開催されました。この会議では、本年度の調査審議の進め方と内部統制に関する取組事例が議題に上がりました。
特に注目されたのは、内部統制に関する取組事例として紹介された、統計センターと教職員支援機構(NITS)の取り組みです。
統計センター:理事長主導による意識改革とリスク管理
統計センターは、常勤職員約600名の行政執行法人です。同法人は、理事長や理事からの定期的なメッセージ発信、内部統制推進月間の設定などを積極的に行い、職員の意識改革を図っています。
具体的には、理事長をはじめとする役員が毎月交代でメッセージを発信し、法人のミッションや組織運営に関する考え方を職員に共有しています。また、リスク管理については、「重点管理項目」と「日常管理項目」に分けて整理し、リスクマップ形式で可視化することで、リスクの発生を抑制する体制を整えています。
さらに、内部統制推進月間を設け、全役職員を対象としたeラーニングやリスク管理のモニタリングを実施することで、内部統制に関する理解を深め、意識を高めています。
教職員支援機構(NITS):職員との対話を通じたミッション浸透と風通しの良い職場づくり
教職員支援機構(NITS)は、常勤職員約40名の中期目標管理法人です。同法人は、理事長自ら職員との日常的なコミュニケーションを重視し、ミッションの浸透と風通しの良い職場づくりに取り組んでいます。
具体的には、理事長が事務室を訪れて職員と直接会話をしたり、意見交換会を開催したりすることで、職員の意見や提案を直接聞き取り、業務に反映させています。また、職員が主体的に学び、意見交換できる場として、PLC(Professional Learning Community)を設け、職員同士のコミュニケーションを促進しています。
さらに、NITSでは、職員の入れ替わりが多いことを踏まえ、リスク対応計画を作成し、転入職員に共有することで、リスク管理意識の向上を図っています。
内部統制の重要性と今後の展望
今回の事例紹介では、理事長によるトップマネジメントを中心とした、内部統制の具体的な取り組みが示されました。
委員会では、内部統制の重要性や今後の課題について活発な議論が交わされました。特に、法人の規模や業務内容によって、内部統制に対する要求水準が異なること、監事の役割をより活用していく必要性などが指摘されました。
今後は、様々な法人の内部統制の取り組みを継続的に紹介し、その成果を共有することで、独立行政法人の健全な運営と成長に貢献していくことが期待されます。